姉妹グループFlowerと再び対決?

山口 僕自身は、浅田祐介と組んで、最先端のテクノロジーを音楽家が取り込んで活動するという音楽シーンを作りたくて、昨秋からTECHSというイベントを始めました。ライブイベントだけでは、ムーブメントになりにくいので、ウェブメディアTECHS.〈外部サイト〉も同時に立ち上げています。

伊藤  TECHS1は観に行きました。初めてのイベントで色々とハプニングもありましたが、熱のあるイベントでしたね。アーティストがパフォーマンスのためにテクノロジーを使うことはありますが、テクノロジーがアーティストを魅せるという視点があったのが面白かったです。

山口 次回のTECHS2@SuperDeluxeは2017年2月14日なのですが、ちょうど1カ月前に、プログラマーに声がけをして、TECHS2のためのハッカソンというのをやりました。レポート〈外部リンク〉が出ているので、ご覧ください。

 30人くらいの小規模なハッカソンでしたが、熱量高いし、刺激的でした。5つの企画をすべて採用にさせてもらって、今、2月14日に向けて完成させようとしています。新しい音楽シーンTECHSは、テクノロジストやクリエイターとアーティストが同じ目線でつくっていきたいと思っています。伊藤さんも2月14日は来てね。

伊藤 もちろんです! 話を戻しますが、Happinessの姉妹グループというかライバルグループであるFlower。LDHの中でもずっと歌謡メロディに緩いテンポの曲が多かったのに、2017年に入って一転。1月11日にリリースされた曲「モノクロ」はかなりハードでカッコ良くなっていました。

山口 音楽的なクオリティの高さで他のダンス系グループを凌駕しようという意思を感じます。

伊藤 ベストアルバムのリリース後、初のシングルで新機軸感を出したかったのかもしれません。「モノクロ」をプロデュースしているのは先日始動したLATKO. 〈外部サイト〉のメンバーでもあるRyosuke“Dr.R”Sakaiなんですが、さすがのヘビー級サウンドでした。そういう意味ではサウンド面でHappinessとFlowerは再度対決感が出てきた感じがするし、「モノクロ」の歌詞は大人っぽかったんですけど、「REWIND」もセクシーで、大人になったHappinessを感じさせる作品になっています。

山口 アイドルではなく、アーティストという打ち出しですね。そんな大人Happinessからどんな妄想分析が浮かびましたか?

伊藤 人生を巻き戻して幼少のころに帰る。何も考えずに無邪気でいられるだろうか? 人生を巻き戻して少女のころに帰る。たくさんの恥ずかしい思い出は素敵な思い出に変えられるだろうか? 人生を巻き戻して大人になったばかりのころに帰る。上手くいかないことばかりの自分を芯から変えることなんてできるだろうか? 人生を巻き戻して昨夜に帰る。たった数時間前の過ちさえ正すことができるだろうか? ただ言えることは、“もしも”はないし、タイムリープも起きないし、ドラえもんも存在しない。“REWIND”の反対は“FAST FORWARD”ではない。重く淀んだ空気を振り払ってドアをあける。朝の冷たい空気が身体中に流れ込み、1日が始まることを脳に告げる。“PLAY”しよう!

山口 散文詩ですね。

Happiness「REWIND」
rhythm zone/エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ 2017年2月8日発売
[CD+DVD]1,800円、[CD]1,000円(税抜)
■Happinessは2011年にCDデビューしたダンス&ヴォーカルグループ。現在は、SAYAKA、楓、藤井夏恋、MIYUU、YURINO、須田アンナ、川本璃という7人編成で活動している。彼女たちはまた、所属事務所LDHの女性アーティストで構成されるE-girlsのメンバーも兼ねる。本作は10枚目のシングルとなる。
■「REWIND」作詞/Emi Tawata 作曲/KENTZ、CHRIS HOPE、MARIA MARCUS
http://happiness-ldh.jp/

【動画サイト】
「REWIND」

https://www.youtube.com/watch?v=a-OHRls8M6o

2017.01.30(月)
文=山口哲一、伊藤涼