マレー半島とボルネオ島北部にまたがる常夏の国、マレーシア。実はこの国、知る人ぞ知る美食の国なのです。そこでこの連載では、マレーシアの“おいしいごはん”のとりこになった人たちが集う「マレーシアごはんの会」より、おいしいマレーシア情報をお届け。多様な文化が融け合い、食べた人みんなを笑顔にする、とっておきのマレーシアごはんに出会えますよ。

一度食べたらやみつきの美味しさ!
マレーシアの「イカン・バカール」

マレーシアの焼き魚「イカン・バカール」。魚の上にサンバルソースをたっぷり塗って焼くため、身が下に隠れて見えないことも多い。

 海に囲まれた南国マレーシア。これまでご紹介したとおり、美味しいごはんの宝庫の国ではありますが、海の恩恵を余すところなく味わいたい貴方に今回ご紹介するのは、焼き魚「イカン・バカール」!

 焼き魚って、ちょっと地味なメニューじゃありませんか? と思うかもしれませんが……。実はマレーシアの焼き魚はガツンとインパクトのある味わいで、一度食べたらやみつきになる美味しさなのです。食べなかったらもったいない! そんなマレーシアの焼き魚「イカン・バカール」をご紹介しましょう。

好きな惣菜を選べる食堂に山のように盛られたイカン・バカール。白飯と合わせた、いわゆる「焼き魚定食」として楽しむマレーシア人も多い。

 マレー語で「イカン」は魚、「バカール」は焼く、を意味します。つまり「イカン・バカール」で「焼き魚」という意味。日本でもおなじみの焼き魚。たとえば、塩焼きとか照り焼きなど種類があるように、マレーシアのイカン・バカールもいろいろなスタイルがあります。

 「そのままシンプルに焼く」、「スパイスなどを大量につけて焼く」、そして「バナナの葉に包んで焼く」といった調理法が一般的。掘り下げていけばいくらでも語れてしまうのですが……、今回は初心者でも楽しめるイカン・バカールについてご紹介します!

2016.12.16(金)
文=三浦菜穂子
撮影=三浦菜穂子、古川 音