vol.14 ハワイ (3)

エッグ・ベネディクトも比較してみた

 ハワイは、前回紹介したように、世界の料理がミックスする地であると共に、昨今のパンケーキブームなどに代表される、カジュアルフーズや朝食などに力を入れている土地でもある。

 そこでまずは、二つの人気ホテル、「モアナ サーフライダー ウェスティン リゾート&スパ」と「ロイヤル ハワイアン ラグジュアリーコレクション リゾート」で、「ホノルル・フレンチトースト対決」と「エッグ・ベネディクト対決」をしてみた。

「ワイキキのファーストレディ」と呼ばれる「モアナ サーフライダー ウェスティン リゾート&スパ」。
豪華客船の宿泊施設として始まった「ロイヤル ハワイアン ラグジュアリーコレクション リゾート」。

 パンの質、焼き加減、マリネ液の染み具合など、どちらも上等だが、「モアナサーフライダー」は、タヒチ産バニラのほのかな甘い香りが利かせている。

タヒチ産バニラのほのかな甘い香りが美味しい、モアナサーフライダーのフレンチトースト。

 一方、「ロイヤルハワイアン」は、中にバナナを挟んで焼いてある。挟むといっても、パンを半分に切ってから切り込みを入れて、そこにバナナを入れ込んであるため、耳の魅力は保たれたままとなっている点が心憎い。

中にバナナを挟んで焼いてある、ロイヤルハワイアンのフレンチトースト。

 上からかけるシロップは、「モアナサーフライダー」はバターとメイプルシロップ。「ロイヤルハワイアン」はバターとココナッツシロップと、少し変則で面白い。

 このココナッツの甘い香りとフレンチトーストがよく合うんだな。これはかけるより、浸けて食べた方がおいしい。

 結論としては引き分けだが、モアナの方はパンを三枚使っているのだが、少し厚切りにして二枚にすれば、より内側のふわり感が出ておいしく感じられるだろう。

 次に、同じ二つのホテルで「エッグ・ベネディクト」も比べてみた。こちらも、卵の質と加熱具合、マフィンの質、いずれも上等である。

カルアポークを使った、モアナサーフライダーのエッグ・ベネディクト。

 肉は、モアナはカルアポーク(ハワイの伝統的な豚肉の蒸し煮)、ロイヤルは厚切りハム。柔らかなカルアポークもいいが、厚切りハムだと、噛みごたえあるハムと柔らかなポーチドエッグとの食感の対比がある分、ロイヤルの方が楽しい。

 付け合わせは、モアナが六種類のジャガイモの炒め。ロイヤルは定番のハッシュドポテト。どちらも素晴らしい。

噛みごたえあるハムと柔らかなポーチドエッグとの食感がうれしい、ロイヤルハワイアンのエッグ・ベネディクト。

 一方、オランデーズソースは、滑らかさや味の深さ、後味の切れなどが、ロイヤルの方が優れていた。

 結果、総合的に「エッグ・ベネディクト」は「ロイヤルハワイアン」に軍配。

モアナ サーフライダー ウェスティン リゾート&スパ
http://jp.moana-surfrider.com/

ロイヤル ハワイアン ラグジュアリーコレクション リゾート
http://jp.royal-hawaiian.com/

2016.09.08(木)
文・撮影=マッキー牧元