人物スナップ撮影・究極の選択 その2
「縦位置か? 横位置か?」

村の子供たちが遊ぶ夕暮れ時。お母さんの手作りの民族衣装を着て大はしゃぎ!

 人物スナップはどうしても縦位置が多くなる。人は縦長だからだ(笑)。私も撮影後、縦位置ばかりになったことに気付くことが多い。

 縦位置が悪いわけではないが、横位置でも人物スナップを練習しておこう。横位置の良い所は背景にその場の状況がわかる要素が沢山入れられる点だ。その国の色彩、生活の匂い、日差しの強さなど空気感を入れてみよう。

 構図の中央に人物をドンと入れる日の丸構図でも、左右どちらかに人物を入れる構図でも、その人自身が表現されて、その人との関係性が写っていたらそれで成功と言えるのだから。

ラオス版女子会。1つの鍋で3通りの味が楽しめる焼肉屋「ポイシアン・プルコギ・レストラン」にて。

 例えば瞳の綺麗な女性に会ったなら、瞳だけにピントを合わせ、被写界深度浅めのF4で撮ったり、わざとブラして撮ったり、シャッター音がリズムを刻んでくるのを楽しもう。

 人物撮影に向いているレンズは35ミリ~50ミリ。お祭りなど、規制があって入れない場合は50~300ミリぐらいのズームレンズが便利である。手ぶれ補正機能が付いているレンズはもちろんONに設定して。

左:コーン島のレストランを手伝っていた少女。瞳がキラキラで思わずパチリ!
右:ファションデザイナー。首都ビエンチャンで「ミニストリー・オブ・シルク」というお店を経営しているバリバリのキャリアウーマン。

2016.07.23(土)
文・撮影=山口規子