金継ぎ技術による文化財修復の実演やオンラインでの「漆掻き」疑似体験 6/23(月)~ 6/29(日)@関西パビリオン 京都ゾーン

京都府福知山市は、6月23日(月)から29日(日)まで大阪・関西万博「関西パビリオン 京都ゾーン」に、伝統工芸「丹波漆」を出展します。
福知山市夜久野地域に伝わる漆掻き技術や漆製品の展示に加え、金継ぎ技術での文化財修復実演や、京都府指定無形民俗文化財である「丹波の漆かき」の現場とオンラインでつないだリアルタイム交流などを通じ、地域を挙げて「丹波漆」の魅力を世界に発信します!
丹波漆プロジェクト 概要
丹波漆プロジェクト 展示日時 2025年6月23日(月)~29日(日) 9:15~21:00
場所 大阪・関西万博 関西パビリオン 京都ゾーン
内容
【展示】期間中全日
- 漆掻き道具(カンナ、ヘラ、うるし筒、鎌等)
- 漆製品(漆器、漆染め製品、漆チップ等)
- 漆掻き後の原木

漆掻き職人が使用する道具

掻き傷を残した漆器
【実演】
○金継ぎ実演(6月23日(月)、24日(火))
- 福知山市の文化財を漆を使って修復

割れた器を漆を使って修復し、金粉を施して装飾する「金継ぎ」

当日修復される土器を持つやくの木と漆の館 館長
○漆掻き実演(online)(6月28日(土)、29日(日))
- 漆掻きをしている夜久野の漆の植栽地と万博会場をオンラインでつなぎ万博会場の来場者にリアルタイムで漆掻きを目の当たりにしていただきます
この実演は、2024年10月9日、文化庁が選定する日本保存技術「日本産漆生産・精製」の保存団体として認定されたNPO法人丹波漆が行います。日本各地でも希少となった漆掻き技術の担い手として、丹波漆の伝統を守り継ぐ同法人による実演見学は、とても貴重な機会です。
※雨天の場合は、漆掻き実演は中止となります
※その他の場合も、急遽出演が中止・変更となる場合があります


京都府指定無形民俗文化財「丹波の漆かき」

2025年5月福知山市長定例記者会見でのデモンストレーション
観覧方法
大阪・関西万博の入場券のほか、関西パビリオン入場予約が必要です(当日予約も可能ですが、確実に見るためには事前予約がおすすめです)
展示出展者:福知山市
協力:NPO法人丹波漆、夜久野みらいまちづくり協議会
丹波漆の魅力
■丹波漆とは丹波漆は、京都府福知山市夜久野町を中心に育まれてきた国産漆の中でも高品質とされる伝統工芸素材です。寒暖差の大きい気候と豊かな自然環境で育つ漆の木から採れる漆は、艶やかで粘りがあり、塗りの美しさと耐久性に優れています。また、漆掻きから塗装までの職人技が受け継がれており、丹波漆は、日用品としての実用性と芸術性を併せ持つ文化財といえる存在です。

漆を濾紙で包み、不純物を取り除く工程。漆は自重で垂れ落ちます
■丹波漆の歴史
明治40年に発行された「実用漆工術」という本に、日本全国の漆の産地30か所が記されていますが、その一番目に書かれているのが「丹波」です。
「丹波漆」の歴史は、奈良時代の初期、約1300年も昔に確認できます。そして明治期には、この地域に500人もの漆を掻き取る人たちがいましたが、全国で30を数えていた漆の産地は次々と姿を消し、現在も引き続いて残っているのは、ほんのわずかしかありません。漆の需要の98%が中国産という現在、福知山市夜久野町で「丹波漆」の歴史と文化を守り、受け継いでいる人たちがいることは、その存在自体が貴重なもので、特に「丹波の漆かき」は京都府指定無形民俗文化財に指定されています。
■やくの木と漆の館
夜久野町にある「やくの木と漆の館」は、丹波漆の魅力と文化を体感できる施設です。ここでは、漆掻き道具や漆器などの展示を通じて、丹波漆の歴史や技術、職人の仕事をわかりやすく学ぶことができます。
また、館内では金継ぎ体験や漆塗りワークショップも不定期で開催されており、子どもから大人まで楽しみながら漆の奥深さに触れられる場となっています。さらに、地元で漆を掻いた後のウルシの原木や、漆を活用した作品の展示・販売もあり、「見る・知る・体験する・持ち帰る」がそろった、丹波漆の発信拠点です。
夜久野の自然とともに息づく丹波漆。その世界にふれる入口として、ぜひ「やくの木と漆の館」へお立ち寄りください。
京都ゾーン出展 概要
【京都ゾーン】についてテーマは「一座建立」。一定期間ごとに分野と展示を入れ替えながら京都の魅力を発信します。6月から8月上旬までは「産業」に関する展示が集います。6月23日(月)~29日(日)のウィークテーマは「持続可能なものづくり」。地域の環境や気候風土に合わせて作られ、受け継がれる伝統産業の価値を体感できる展示が結集します。
【お問合せ】
福知山市役所 市民生活部 夜久野支所
TEL:0773-37-1103 https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/soshiki/64/13969.html