ひとつの物語を男女二つの視点から描いた、青春ダブルアングル・ホラー『ドロメ』で主人公・颯汰を演じる小関裕太。ドラマ「ごめんね青春!」の「コスメ」役も記憶に新しい彼が、13年間に及ぶ芸歴を振り返る。

幼い頃の夢は、歌って踊れる大工さん

――2003年、8歳のときに現在の事務所に入るまでの経緯を教えてください。

 幼稚園からインターナショナル・スクールに通っていたので、もともと海外の映画を観ることが好きだったんです。それで小学1年生のとき、『メリー・ポピンズ』を観て、屋根の上でタップダンスをするシーンに憧れて、タップダンスを習い始めました。そして、8歳のときに、今の事務所に入ったんです。

――つまり、幼少時代から芸能界に憧れがあったということですか?

 いいえ。その頃の僕は、自分の想像する家を作りたいという憧れもあって、建築士じゃなくて、大工さんになりたかったんです。だから、夢は歌って踊れる大工さんでした。でも、カメラに撮られることや、オーディションに合格して、阿部寛さんと一緒に出演した「セキスイハイム」のCMを観たおばあちゃんが喜んでくれることも楽しかったんです。

――06年から3年間、教育テレビ「天才てれびくんMAX」で、てれび戦士としてレギュラー出演されましたが、そのときの心境は?

 まだ、自分の中でお仕事をしている実感はなかったですね。楽しいから、お仕事を続けていただけで、楽しくなかったら辞めていたと思います。とにかく学校に行くより、現場に行く方が楽しかったし、それが番組を観る方にも伝わっていたかと思います。つまり、責任感のようなものはなかったのですが、自分の足りない部分も見えていたので、幼いながらもそこを追求していきたいという気持ちがありました。

2016.03.11(金)
文=くれい響
撮影=橋本 篤