近年ミュージカル俳優として、著しい成長を遂げ、注目されている加藤和樹。新作ミュージカル「レディ・ベス」で帝国劇場の舞台に初めて立つ彼が、「ミュージカル テニスの王子様」「ホタルノヒカリ」など、これまでの10年に及ぶ活動を赤裸々に語ってくれた。

18歳でのデビューから一転、休業へ

――2002年のジュノン・スーパーボーイ・コンテストでファイナリストに選ばれたことがこの世界に入るきっかけとなった加藤さんですが、幼い頃の将来の夢は何でしたか?

 親の手伝いでご飯を作ることが多かったので、小中学校の頃は料理人になりたいと思っていましたね。コンテストには高校時代、周りに勧められて出場したんですが、憧れている俳優さんもいなかったですし、そもそも役者になりたいと思っていませんでした。単純に「芸能人になれば、TVに出られるのでは?」という気持ちぐらいだったんです。

――そのような気持ちとデビュー後に一度、休業の道を選んだことは関係あるのですか?

 目標がないまま芸能界に飛び込んでしまい、あまりに無知なので、なんでスタッフさんから怒られるのかも、オーディションを受けて落ちまくるのかも、よく分からなく、自分の思い描いていた芸能界とのギャップがありすぎたんですね。だから、精神的に続かなかったんです。でも、このままやっていてもダメだなと思っても、名古屋から上京してきた以上、すぐに実家には帰れない。だから、芸能界を辞めて1年半くらいバイトをしながら、自分のやりたいことをちゃんと見つけようと思っていたときに、音楽に出会ったんです。

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2014.03.07(金)
文=くれい響
撮影=山元茂樹
スタイリング=立山功