Magnificent View #807
カースルハワード(イギリス)

(C) Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 イングランドのヨークシャーに立つ、瀟洒な建物。まるで城のように見えるが、ここは個人が所有している邸宅だ。

 建物は、1712年、第3代カーライル伯爵のチャールズ・ハワードにより建てられた。個人宅とはいえ、面積は東京ドームの約9倍。広大な敷地内に、宮殿を思わせる豪華な屋敷や花畑、噴水のある池、孔雀が放し飼いにされている庭園などを擁している。

 ここは1911年に出版されたフランシス・ホジソン・バーネットの小説、『秘密の花園』の舞台のモデルにもなったところ。薔薇が咲き乱れる庭園の美しさは、名作のワンシーンを思い出させる。

 1940年の火災で建物の大部分が焼失したものの、その後見事に再建。現在もハワード家が暮らしているが、一部は一般公開され、人気の観光スポットになっている。

 クリスマスシーズンならではの楽しみが、ハワード家に代々伝わる季節の飾り付けだ。約1000個のオーナメントをつけた巨大なツリーが登場し、メルヘンな雰囲気で訪問客を楽しませている。

Column

今日の絶景

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2015.12.16(水)
文=芹澤和美