齋藤智子(さいとう ともこ)さん
家族:夫、小学6年男子、小学3年女子

一般社団法人プラスアロマ協会 理事長
勤務体制:フリーランス

 ふと漂ってきた香りに、子どもの頃の思い出の情景がぱっと目の前に鮮やかに浮かぶ。あるいは、香りをかいだだけで、すーっと疲れが遠のいていく。そんな経験はないだろうか。

 それほど嗅覚というのは、記憶力をはじめ脳の働きに密接に作用しており、奥深い。

 趣味で始めた「香りの魅力」に惹かれ仕事にし、来年で起業してから10年を迎えるのが今回ご紹介する齋藤さんだ。

 お父様が京都出身だった関係で、幼いときから「お香」の香りに親しみを感じていたという齋藤さんは、会社員時代も趣味としてアロマを楽しんでいた。体調を崩したときにアロマで復調した経験から、アロマセラピーの力に興味を持つようになる。

 社内結婚だった齋藤さんは、結婚と同時に退職。10年たったときに自分らしい仕事をしていたいと考え、アロマセラピーとベビータッチケアの資格を取得した。

 2人目を出産後、サロンを自宅で開く。

 今から8年ほど前のこと、子連れでお稽古をできるところはなかなかなかった。齋藤さんは、子連れで学んだりリラックスできたりする環境を整えたいと考え、自宅を開放した。さらにアロマセラピーやベビータッチケアのみならず、子どもとママの撮影会のプログラムなど、子連れで楽しめる企画を次々と実現していった。

 その後2013年には一般社団法人「プラスアロマ協会」を立ち上げ、現在は、香りに関するセミナー、アロマ空間演出、セラピスト養成講座に加えて、小学校での総合学習で「香りの教育=香育」も行っている。またオリンピックを見据えてジュニアアスリートファミリートレーナーの育成も始まった。起業10周年を迎える来年は、さらに活動の範囲を広げていく予定だ。

総合学習の「香育」の様子。子どもたちにこそ五感を研ぎ澄ます教育が必要だと感じている。

 そんな齋藤さんの子育てと仕事の両立術を伺った。

2015.12.23(水)
文・撮影=HITOMINA