デザートにはブルターニュスタイルのクレープを

 クレープもブルターニュのスタイル。

 「サンプル」とは、シンプルという意味。何もつけずに焼き上げたクレープに、バター、シュガー&レモン、バター&シュガー、レモン&はちみつ、4種類からいずれかを選んでつけて食べます。クレープはもっちりした食感。400円と安価なのもうれしい。まさにおやつです。

 チョコレートやキャラメルのソースをかけたり、アイスクリームをトッピングしたりもできます。

左:クレープをくるりと器用に裏返すエリックさん。
右:「クレープ・ノルマンド(ノルマンディー風)」800円。リンゴの砂糖煮、バニラアイスクリーム、フレッシュクリーム。

 「ノルマンド」とは、ノルマンディー風。ノルマンディー地方の名産のリンゴをキャラメリゼして、バニラアイスクリームと一緒にトッピング。リンゴの甘くほろ苦い味わいとクレープのムチムチした食感、アイスクリームで、極上のデザート。

 他にも、塩バターキャラメルのソースをかける「ケンペール」、洋梨のシロップ漬けとチョコレートソースの「ベル・ヘレン(麗しのヘレン)」などがあります。

 エリックさんは、世界的にリゾートを展開する「地中海クラブ」でバーマンとして働いていた時、出身地のブルターニュのクレープを自ら焼いて出し、好評だったのだそう。「北海道のスキー場にいた時は、ホットチョコレートとクレープを出していました」。クラブを辞めて宝塚に移ってからも、ホームパーティでガレットやクレープを焼いていたといいます。好きが高じて、とうとうお店をオープンしたのでした。

 ガレットとクレープ以外にも、エリックさんはブルターニュの味にこだわったお菓子を焼いています。

 伝統菓子の「ファーブルトン」は、クレープにプリンを足して2で割ったような、ムッチリ、モチモチとした食感が特徴。「ファー」とは、小麦粉やそば粉で作る粥や団子のことだとか。プルーン入りも作っています。

焼きたての「ファーブルトン」。
「ファーブルトン」プレーン300円。

 そして、「ガトー・ブルトン」。乳製品とゲランドの塩の産地として有名なブルターニュ地方の、バターと塩をきかせた甘じょっぱい焼き菓子。ガレット・ブルトンヌという呼び名で日本でもおなじみです。「実家では、うんと大きく焼いて皆で切り分けて食べる」とエリックさん。日本人好みに小さく焼いてあります。

 焼き菓子やクレープはテイクアウトもOK。

「ガトー・ブルトン」280円。

 お店は朝9時半から営業。クレープのモーニングセットやガレットのランチセットもあります。そして、通常は18時半までですが、金曜と土曜は夜21時半まで営業しています。「シードルやワインを飲みながら、夜にガレットを楽しむのもいいですよ」。

 本格的なガレットとクレープをおやつ感覚で気軽に楽しめるお店。ブルターニュにいるかのような気分になれます。

「Gwenn Ha Du(グウェン・ア・ドゥ)」
所在地 兵庫県宝塚市千種1-12-11
電話番号 0797-73-5511
URL http://gwennhadu.jp/

宗田洋子(そおだ よおこ)
ライター。神戸生まれの神戸育ち。神戸を離れたことがない神戸っ子。ライター歴30年以上で、関西の雑誌の取材だけでなく全国誌でも関西取材を手がけ、老舗から新店まで回ったお店は数知れず。移り変わる街を見続けてきた。食いしん坊で飲んべえ。

Column

そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行

生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。

2015.11.08(日)
文・撮影=そおだよおこ