ワイナリーにマルシェ、食も楽しみなナント

 音楽フェスティバル、「ラ・フォル・ジュルネ」や、ブルターニュ公国にまつわる歴史で知られるナントの街。ワイン好きの人なら、おいしい辛口の白ワインの産地としても、街の名を知っているかもしれない。

ナント地域で生産されるワインの半分以上は、白ワイン。

 ロワール川河口に広がる一帯で生産されているのは、白ブドウのミュスカデ種だけを使い、「シュール・リー」という方法で作られたワイン。この製法は、ワイン発酵後のタンク内に発生した澱を澱引きせず、その上澄みを瓶詰めするというもの。澱からアミノ酸などの旨みが溶け出すことによって、香り高くコクをもつワインが生まれるのだという。また、瓶詰め後もわずかに発酵するため、ワインは微量の炭酸ガスを含み、爽やかでフレッシュな味わい。

ミュスカデのイメージを変えるおいしいワインに出会えるかも。

 ナントの市内から車で1時間ほど走れば、そこは気候と肥沃な土壌に恵まれたワインの産地。牧歌的な風景の中に小さなワイナリーが点在し、ワイナリーめぐりも旅の選択肢として人気を集めている。

近郊には、家族経営の小さなワイナリーが点在。予約すれば見学できるところも多い。

2015.05.02(土)
文・撮影=芹澤和美