宝塚といえば、歌劇。2014年に100周年を迎え、注目を集めています。また、手塚治虫氏ゆかりの地で、手塚マンガが全作品そろったライブラリーがあり、氏の仕事机を眺めながらアニメーションの製作体験もできる手塚治虫記念館も20周年。さらに市制60周年でもあり、宝塚駅周辺は、それらを祝うバナーも飾られて、街全体が華やいでいます。

左から、「コーヒー牛乳」500ml 490円、200ml 190円。「牛乳」200ml 190円、900ml 920円、500ml 490円。

 そんな宝塚市にあるのが『たからづか牛乳』。「宝塚に牧場があったんですか?」と地元の方も驚くくらい、知られていなかったのです。直営のお店が2店舗オープンして、地元で話題になってきたところ。宝塚南口店は2013年5月、逆瀬川店は今年8月にオープン。それぞれ、駅からすぐの便利な場所にあります。

左:宝塚南口店は、宝塚南口駅北へすぐ。人気のサンドイッチ店の隣。
右:逆瀬川店は、逆瀬川駅すぐのアピアに。

 2店舗共、木造りのナチュラルなお店で、店内のショーケースには、牛乳やヨーグルトがずらり。ミルクやヨーグルトをベースにしたドリンクやソフトクリームを、気軽にイートインしたりテイクアウトしたりする女性や家族連れでにぎわっています。

宝塚南口店のショーケース。牛乳のほか、ヨーグルトやプリン、シュークリームなどがずらり。
宝塚南口店の店内。「ちょっと甘いものが食べたい」というときにも気軽に立ち寄れる。

「たからづか牛乳は、元々、第2次大戦後に5世帯で始めた酪農家の1軒、山口牧場の原乳のみを使っています。宝塚市の北西部・西谷にある小さな牧場で、約30頭のホルスタイン牛を、ストレスを与えないよう、いい餌といい水で、飼っています。牛舎には、モーツァルトの音楽が流れているんですよ」と、工場長の佐野紳吾さん。

 特徴は、毎日搾られるフレッシュな牛乳を63℃の低温で30分殺菌していること。牛乳が本来持っている成分が生きています。

「乳量や気温が毎日違うので、牛乳の温度を63℃の一定に保つのは、なかなか難しい作業。1℃違ってしまうと、牛乳の風味が全く違ってしまうんです」。

「子供達にいい牛乳を飲ませたい」という思いからスタートしたのだそう。それで、小さな子供達にも読めるように、ひらがなの「たからづか牛乳」としたといいます。

左:「牛乳」190円。まず、上にできたクリームをスプーンですくって食べてから飲んで。
右:「ソフトクリーム」コーン390円。ミルクがピュアだから、後口がとてもいい。
「黒糖ジンジャーミルク」390円。ショウガの風味と優しい甘味。

 牛乳を飲むと、さらりとしていて、甘みがあります。後口もすっきり。「ホモナイズ(脂肪の均一化)をしていないので、数日置くと上部にクリーム層がたっぷりできます」。

 お店では、瓶入りの牛乳にスプーンを添えて出されます。このクリームがまたとてもおいしい。

 コーヒー牛乳の原料は、牛乳、コーヒー、砂糖だけ。さっぱりとしていて、コーヒーの風味も優しく、どこか懐かしい味わい。

 どちらも、毎日、たっぷり飲みたくなります。

2014.11.16(日)
文・撮影=そおだよおこ