#27 Koh Lipe
リペ島(タイ)

バンコクからはほぼ一日がかりになるけれど……

サンライズビーチにはあらゆるタイプのステイ先が揃っています。

 マレーシアとの国境に近い、タルタオ海洋公園に属するリペ島。数多くの島を抱えるタイでは島めぐりを楽しむ旅行者も多いけれど、そんな彼らにとってもリペ島は"最果ての楽園"的な特別な島です。

ロングテールボートをチャーターして周辺の島々へピクニックに出かけるのもポピュラーな過ごし方。

 なんせ、バンコクからのアクセスは、まず国内線でハジャイへ。車で1時間30分の移動の後、パクバラ埠頭からスピードボートで約1時間10分、さらにロングテールボートに乗り換える。つまり、ほぼ1日がかりの移動になります。それが、マレーシアのランカウイ島からだと、定期船で約1時間+ロングテールボートで約10分。あっという間!

パタヤビーチ(バンコク近くの老舗ビーチとは異なります)の入国管理事務所。うっかりすると見落としてしまいそう。

 いくらマレーシアから近いとはいえ、国境をまたぐわけですから、出入国の手続きが必要になります。ロングテールボートからリペ島に上陸すると、オンザビーチの入国管理事務所へ。まるで掘っ立て小屋のようなたたずまいなので、うっかりすると見落として密入国しかねない感じなのが、南の島ならでは!?

島の海岸線を一周してみると、小さなビーチに隠れ家宿を発見したりします。

 ブーメラン形のリペ島は東西約3キロ、南北約1.75キロ。チャオ・リー族やアンダマン海の海洋民族をルーツにもつ人々が1500人ほど暮らしています。ちなみに“リペ”とは地元の言葉で“紙”を意味するのだそう。ロングテールボートで海岸線を一周しても1時間かからないくらいの小さな島です。

パタヤビーチにあるメインストリート。250メートルほどの道に、みやげ物店や旅行代理店、レストラン、マッサージ店などが並んでいます。

 メインは南側のパタヤビーチと東側のサンライズビーチ。どちらも歩いて30分はかかるロングビーチで、真っ白な砂浜の先には色鮮やかなサムラック(安全祈願のお守り)を船首に幾本も垂らしたロングテールボートが無数に浮かんでいます。ビーチでは日焼けを楽しんだり、穏やかな浅瀬に寝転んで温泉気分に浸ったりするツーリストの姿、木陰には世間話を交わす地元の人々。タイの小さな島で見かける、ちょっと脱力した空気が漂っています。

2014.10.11(土)
文・撮影=古関千恵子