御簾を通して感じた一条天皇の孤独

 塩野さんと言えば、2021年にLDH JAPAN所属を発表し、2022年に劇団EXILEのメンバーになったことも記憶に新しい。

「以前からLDHの作品でお世話になっていて、HIROさんも僕のことを知ってくださっていたようで、縁あって所属することになりました。前々から僕の性格がLDHに“あってる”とはよく言われてたんですけど、たしかに自分発信で動くという社風はあってるのかなと思いますね」

 『光る君へ』では、藤原公任役を務める事務所の先輩・町田啓太とも共演している。

「同じシーンの撮影もけっこうあって心強い感覚はあるんですが、実は一条天皇と藤原公任たちの間には御簾があって、僕から向こうは見えるんですが、向こうから僕は見えないんです。なので『おはようございます』って挨拶しても、みんな僕がどこにいるのかわからない(笑)。長袴なので自由に動いて話しかけにいくこともできなくて、少し寂しい思いをしています。でも、そのことで一条天皇も孤独を感じていたんだろうなという新たな気付きもありました」

 塩野さんから見た一条天皇はどんな人物に映っているのだろうか。

「一条天皇の時代には藤原道長が権力をふるっていたわけですが、そんな中でも、自らぶつかる覚悟を持って政に取り組んでいたんだなと大石静さんの脚本から感じました。もがき苦しむ様子も人間らしいし、今後は、妻の定子をどれだけ真摯に愛するのかにも注目していただきたいです」

2024.04.14(日)
Text=Michiyo Nishimori
Photographs=Norihiko Okimura
Styling=Mayu Ichii
fitting=Kaoru Kumaki
hair & make-up=Yusuke Tokita

CREA Due 2024年4月号
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