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猫種によってかかりやすい病気は違うの?

 猫種によって身体的特徴や性格が異なるように、かかりやすい病気も猫種ごとに異なります。ここでは、人気猫種1位のスコティッシュ・フォールドの特徴について教えていただきました。

「スコティッシュ・フォールドがかかりやすい疾患」

「猫には遺伝性の病気というのがあり、主にスコティッシュ・フォールドが発症しやすいのが、骨軟骨異形成症です。これは、軟骨や骨に異常が起きる病気で、成長段階で軟骨の構造に異常が起こることが原因です。症状のレベルはさまざまですが、すべての折れ耳型のスコティッシュ・フォールドが発症している病気です」(兵藤さん)

 上記の表にある「関節炎」や「歩行異常/跛行(はこう)/四肢の痛み」が主な症状とされていて、マンチカンにも多く見られます。遺伝性の病気で、しかも100%発症するとなると、気になるのは予防方法。

「遺伝性の疾患なので避けて通れないのは事実ですが、早期発見することで悪化を防ぐことができます。猫は痛みを隠す習性があるので、日頃から行動をよく観察して、『歩き方がおかしいな』とか『ジャンプをしなくなったな』とか、ちょっとした異変も見過ごさないことが大切です。

 『関節炎になりやすい』ということを知っていれば、早い段階で病気の発症に気付くことができるので、まずは愛猫の猫種がなりやすい病気を知ることが早期発見の第一歩です」(兵藤さん)

 また、スコティッシュ・フォールドは、比較的運動量が少ない猫種と言われているので、ぽっちゃりになりやすいという傾向も。足腰に負担をかけないためにも、一緒に遊ぶ時間を作って適度な運動を心がけると、コミュニケーションも深まっていいこと尽くしですね。

2024.03.09(土)
文=田辺千菊(Choki!)
写真=深野未季、Aflo