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 ペットと暮らす人のバイブルと呼ばれるアニコム『家庭どうぶつ白書』。

 ペット保険で知られる「アニコム損保(以下、アニコム)」が、毎年公開している世界最大規模のペット統計データ集で、猫と暮らす人の間でも毎年注目を集めています。

 気になる内容は、猫種ごとになりやすい病気や寿命といった実用的なデータをはじめ、人気の名前ランキングなど、楽しくてためになる情報が満載。

 アニコムで『家庭どうぶつ白書』の制作に携わる広報・兵藤未來さんに、大切な家族の一員である猫のためにできることを伺いました。


猫がかかりやすい病気を知って予防から始めよう

 一日でも長く猫と暮らすために、知っておきたいのが猫の病気。ここでは、『家庭どうぶつ白書』の最新データをもとに、猫がかかりやすい病気について、兵藤さんに教えていただきました。

「猫の疾患(大分類単位)の請求割合」

「猫がかかりやすい病気のひとつに、慢性腎臓病があります。症状として最も多いのは多飲多尿や消化器症状で、食欲不振や吐き気、嘔吐、口腔内潰瘍、胃炎、下痢、血便など多岐にわたります。特に高齢の猫に多く、慢性腎臓病は猫の死因の上位にランクインしているので、日頃から予防を心がけましょう」(兵藤さん)

 ほかにも、体重減少や筋肉量の低下、低体温、活動性の低下、高血圧のような非特異的な症状も見られるため、注意していても感知しにくいため、早期発見を難しくしているという側面も。

 また、犬と違って、猫は外に連れ出すことが容易ではないので、動物病院に連れて行くのも一苦労、という声も少なくありません。そこで、動物の病気の早期発見の方法のひとつとして注目されているのが「腸内フローラ測定」です。

「人間と同じように、猫や犬も腸内環境を整えることが健康維持につながるとわかってきました。アニコムでは契約者様のペット向けに年1回無料の腸内フローラ測定を行っていて、自宅で採取した動物のウンチを郵送していただくだけで、腸内細菌を調べることができます。

 自宅にいながら検査が受けられる点も、猫にとっては大きなメリットに。加えて、猫がかかりやすい腎不全のなりやすさを判定できるので、予防の観点からも検査をおすすめします」(兵藤さん)

 これなら、病院嫌いの猫ちゃんも安心! 健康診断と併せて活用すれば、病気の早期発見・早期治療に一役買いそうです。

2024.03.09(土)
文=田辺千菊(Choki!)
写真=深野未季、Aflo