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おからの美味しい食べ方を知っていますか?

 それ以外におすすめしたいのがおから。お豆腐を作る時に出る、大豆から豆乳を絞った後の残り部分です。このおからの大半が産業廃棄物になってしまうことをご存じでしょうか? お豆腐を作ると、おからの方が何倍もできてしまうので、廃棄するのが一般的でした。

 昨今は乾燥させて粉末にした「乾燥おから」など、しっかり使い切る取り組みも行われています。日持ちしないのが難点でしたが、「乾燥おから」なら長期間ストックもできるし、料理にもいろいろ使えるので便利ですよ。食物繊維がとても豊富で、十分、栄養素も残っています。ダイエットや、便秘解消にも役立ちます。おからもぜひ普段の食生活のアイテムに加えてください。

 そしてもうひとつ、納豆です。発酵食品なので、大豆そのものを食べるよりもタンパク質などの栄養素の消化、吸収率が上回るといわれていて、腸内の悪玉菌を減らして腸内環境を整えてくれるので身体全体の免疫力アップも期待できます。好き嫌いがあるかもしれませんが、定期的に食べてほしい食材のひとつです。

 女性ホルモンが減少すると骨密度も下がるといわれていますので、骨の形成をうながすビタミンKも豊富な納豆は、女性には欠かせない食材です。添加物が少なく、しっかり発酵されたものを選ぶようにしてください。

谷口ももよ(たにぐち・ももよ)

「健康は日々の食卓から」と「美食同源」をテーマに、身近な食材を使った簡単で美味しい薬膳レシピを提案。なかでも豆腐や野菜を中心としたよりヘルシーな“ベジ薬膳”を提唱する。薬膳料理教室を主宰し、講師育成の薬膳講座を全国で展開。レストランへのレシピ提供や企業との商品開発など活動は多岐にわたる。著書も多数出版し、『身近な10の食材で始める薬膳ビューティーレシピ』(講談社)、『5色の野菜でからだを整えるべジ薬膳』(キラジェンヌ)で、グルマン世界料理本大賞グランプリを2度受賞。「東洋美食薬膳協会」代表理事、「全日本薬膳食医情報協会」名誉顧問、「日本豆腐マイスター協会」理事、薬膳料理教室「Salon de Maman」主宰。国際中医師。

●谷口ももよ公式サイト https://yakuzen-salon.com/
●東洋美食薬膳協会 https://orientalyakuzen.com/

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