まぶしいほどにキラキラと輝く個室と、ワンランク上のシャンパンとアメニティ

 ラウンジでシャンパンと中東料理を楽しんだら、いよいよ機内へ。今回搭乗するA380型機は、世界最大の総2階建ての旅客機だ。前述の通り、A380型機が飛んでいるのは成田便だけで、羽田便と関西便はB777型機(次回以降の記事で紹介予定)となる。羽田便は最新鋭の、通称「ゲームチェンジャー」で、4月2日に再就航したばかりだ。

 エミレーツ航空のA380型機の特徴はシャワーとバーラウンジ。同社は2008年に世界で初めて機内にシャワーを備えて航空業界を驚かせた(2023年現在2社)。そして、14席という世界最多の席数を誇り、2階の最後部にはファーストクラスとビジネスクラスの搭乗客が使うことができるバーラウンジまであるのだ。今では当たり前となった全クラスのパーソナルモニターも、1992年、世界で最初に導入したのはエミレーツ航空だった。

 ファーストクラスがある2階席へは、機内の階段から上ることもあるが、空港によってはボーディングブリッジが2本、1階と2階に分かれていて、ファーストクラスとビジネスクラスは上、エコノミークラスは下に向かうスロープとなっている。成田空港は後者だ。

 ゆるやかに上に向かうスロープの先では、CAさんが出迎えてくれて、搭乗客を1人ずつシートまで案内してくれる。ここからファートクラスならではのパーソナルなサービスが始まる。席に座ると、離陸前のウェルカムドリンクを聞かれる。迷わずシャンパンをお願いした。

 ドア付きのシートは、1−2−1という配列の14席。シートピッチは約208センチメートル、シート幅は約58センチメートルだ。窓側席と中央席は、インテリアは、高級感のある大理石調とグレーにゴールドのアクセントいう配色。ボタンを押すとゆっくり上がってくるミニバーにも、鏡にもライトがたくさん仕込んであって、キラキラと輝いている。

 正面のテーブルの鏡を開くと、中にはスウェーデン発のラグジュアリーブランド「バイレード」の高級コスメ、引き出しの中には「モレスキン」のノートとボールペン。どちらもすぐに使ってもいいし、持ち帰ることもできる。

 テーブル横には「ブルガリ」のアメニティポーチと大振りのトートバッグが置かれていて、トートバックの中にはリラックスウェアとスリッパ、アイマスクが入っている。トートバッグは、シャワー付きのA380だけのアメニティ。シャワールームに行くときに着替えを入れて持って行くために用意されている。

 あれこれシートを確認していると、先ほどお願いしたシャンパンが届いた。エミレーツ航空は「ドン ペリニヨン」ということは知っていたが、ラベルが黒い。「えっ、まさか?」、「ドン ペリニヨン」の中でもワンランク上の「P2」が、期間限定で搭載されていたのだ! しかも、離陸前から。航空会社によっては、ウェルカムシャンパンは種類が違うものでサービスして、高価なシャンパンは上空で開栓されるというのに。

 感動しつつもさらに引き出しやアメニティなどをチェックしていると、今度はアラビックコーヒーと、赤い箱に入ったデーツをもったCAさんたちがやってきた。デーツは、アーモンド、オレンジピール、プレーンの3種類。どれにするか迷っていると、「全種類どうぞ」と。お言葉に甘えて(笑)ひとつずつ、全種類いただいた。かくして、「ドン・ペリニヨン P2」とともに、煌びやかな空の旅が始まった。

2023.04.23(日)
文・撮影=たかせ藍沙