2015年に、CREA WEBで連載が始まった「たかせ藍沙のファーストクラスで世界一周」。旅好きの読者からの支持を集め、大きな反響があった同連載をもとに2016年に出版した指南書『ファーストクラスで世界一周』は増刷を重ね、たくさんの人がこの本を参考にファーストクラスの旅へと一歩を踏み出しました。

 新型コロナウイルスを経て、旅のカタチも変わった今、いよいよ海外旅行を再開する皆さんへ「新たなファーストクラスの旅」をたかせ藍沙さんが提案します。旅のレポートだけでなく、ファーストクラスの最新情報、ファーストクラス並みのビジネスクラス情報もお届けしていくので、どうぞお楽しみに!

成田空港のラウンジから中東のお料理、ラウンジから始まるドバイへの旅

 新しい旅のはじまりは、エミレーツ航空のファーストクラスから。世界で初めて機内にシャワーを備えて旅行界に衝撃を与えたファーストクラスだ。ドバイは、アラブ首長国連邦に属する7つの首長国のうちのひとつ。そのドバイを拠点としているエミレーツ航空は、ラウンジも機内もとびきり豪華なことで知られている。

 2023年4月現在、エミレーツ航空は、成田と関西、そして羽田からドバイに、それぞれ1日1便飛んでいる。成田便の機材は、ヨーロッパを拠点とするエアバス社のA380型機、関空便と羽田便は、アメリカのボーイング社のB777型機だ。

 まずは空港ラウンジからご紹介しょう。日本の空港に、自社の直営ラウンジを持っている外資系航空会社は多くはない。エミレーツ航空は直営のラウンジを、いち早く2015年に成田空港にオープン。2022年には改装し、リニューアルしている。

 入り口には、“The Emirates Lounge”のロゴが金色に輝いている。受付では、ラウンジスタッフの女性が、CAさんと同じユニフォームで出迎えてくれる。ひと目見てエミレーツ航空とわかる、白いスカーフがついた赤い帽子が特徴だ。

 入り口から入って右側には、飲み物や料理がずらりと並んだビュッフェコーナー、そして、ソファ席、テーブル席、カウンター席などがあり、好きな場所でくつろぐことができる。入り口から左側には小さな噴水があり、その奥は、飲み物コーナーと、ソファ席がある静かな一角。シャワーブースや、イスラム教徒に欠かせないお祈りのための部屋もここにある。

 ビュッフェの料理はすべてイスラム教徒が安心して食べことができるハラルフード。メニューの他に、各料理のアレルゲンの一覧も置かれている。日本のお好み焼きや天ぷらもあるが、中東のフムス(ヒヨコ豆をすり潰したペースト)やマチュブース(スパイスを使った米料理)などもある。

 CAさんと同じユニフォームで迎えられ、中東料理を楽しむことができるので、搭乗前から旅気分を満喫できるラウンジだ。

2023.04.23(日)
文・撮影=たかせ藍沙