「安心して食べてほしい」という気持ちをこめて

「SKA VI FIKA(スカヴィフィーカ)とは、スウェーデン語で”お茶しない?”という意味。スウェーデンでは、友達や家族をこの言葉でお茶に誘って小休憩の時間をとります。そんなふうに、私が作ったベーグルでホッとするひとときを過ごしてもらえたらと思って」と木下さん。

こだわりを感じるお店の立て看板

「安心して食べてもらいたいから」と、添加物や保存料、香料、着色料は使用していません。材料も厳選しており、小麦粉、砂糖、塩は国産100%。中に入っている具材(フィリング)も、できるだけオーガニックや体に優しいものをセレクト。卵、牛乳、バターを使用していないので、アレルギーの方のお取り寄せも多いのだそう。

「ベーグルは1次発酵だけで作られることが多いのですが、私は2次発酵させています。発酵は酒粕や玄米などで起こした自家製天然酵母で。季節によっても変わりますが、2日間かけて長時間発酵させ、素材の旨味を引き出しています」。

 だから、もっちり、むっちりした独特の食感で、噛む程に旨味が広がります。そして、どれを食べても口切れがよく、後口もすっきり。「ベーグルは硬くてモサモサしていて苦手」という人も、そのイメージが払拭されるはず。

シンプル系ベーグル。かぼちゃ三昧 270円。北海道の栗かぼちゃを使って(写真上)、胚芽はちみつ 220円。焙煎した胚芽と蜂蜜(写真右)、アールグレイシトラス 230円(写真左)
ベーグル食パン。アールグレイ・オレンジピール 480円。ドイツのアールグレイ紅茶を使用(写真上)、チェダーチーズ・モッツアレラチーズ 660円。中にチェダーチーズ、上にモッツアレラチーズ(写真右)、宇治抹茶生地 鳴門金時ときなこ 690円。宇治抹茶入りの生地に徳島産鳴門金時、きなこ(写真左)

 定番の「全粒粉」や「アールグレイ」も「少しでも、よりおいしく」と、常にブラッシュアップしているのだそう。「夏と冬で、オレンジピールを入れる量を変えたり、チョコも分量や甘さを変えたり。人気キャラクターをモチーフにしたベーグルでも、子供の日にはキャラクターにかぶと、クリスマスにはサンタさんの帽子をかぶせたり」。

 ベーグル作りを楽しんでいる木下さん。11月にはボジョレーヌーボーに合わせて、ブドウの形で1粒ずつ違う味がする凝ったベーグルを出す予定。クリスマスには、サンタクロースやトナカイ、クリスマスリースはもちろん、ベーグルのシュトーレンも登場。また、冬の乾燥対策としてコラーゲンやビタミンC入りの「美ベーグル」まで作ってしまいました。幸子さんが手作りするホワイトソースを使ったグラタンベーグルやゴマ味噌を塗った五平餅のようなベーグルも人気です。

「おうちで食べる前には、レンジで15~20秒温めてからオーブントースターで表面をカリッと焼いてください。焼けたら電源を切って扉を開けて2分置くと、焼き立てのようになりますよ。すぐに食べない時は冷凍保存を。2ヶ月は大丈夫です」。木下さんの言葉どおりにしたら、表面はカリッとして、中はモチモチ。とてもおいしく食べられました。

 訪れる度に驚きがある楽しい専門店。新しいベーグルの魅力に、はまってしまいます。

SKA VI FIKA
所在地 兵庫県神戸市東灘区甲南町3-7-14 甲南櫻井ビル1階
電話番号 078-453-1123
HP svf-bm33.ocnk.net

宗田洋子(そおだ よおこ)
ライター。神戸生まれの神戸育ち。神戸を離れたことがない神戸っ子。ライター歴30年以上で、関西の雑誌の取材だけでなく全国誌でも関西取材を手がけ、老舗から新店まで回ったお店は数知れず。移り変わる街を見続けてきた。食いしん坊で飲んべえ。

Column

そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行

生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。

2013.11.10(日)