秋のトスカーナを旅する気分で6皿ペロリ!

トスカーナ州の北西に位置するリグーリア州の海岸の街の漁師料理「カッチューコ」は、シンプルな魚介の煮込み。イカスミのリゾットとともに。(イタリアを旅するコースの5皿目)

「イル テアトリーノ ダ サローネ」の新しいコースは、その名も「イタリアを旅するコース」。シェフが現地の屋台やトラットリアでお腹いっぱい食べた「イタリアの食の記憶」を、季節ごとにテーマとする州を変えて提供するそう。第一弾となる2013年秋のコースは、トスカーナ州です。コースは6皿構成(¥6500)。小ポーションの多皿構成から、皿数を減らして一皿ずつのボリュームが増した印象です。そして今までと違うのは「ハッとする」というより、「ホッとする」こと。わかりやすいのです。

「ランブレドット」は、牛もつとちりめんキャベツの煮込みを挟んだパニーノ。サルサベルデと辛いオイルを添えていただきます。(イタリアを旅するコースの2皿目)

 たとえば「ランプレドット」は、牛の第4胃袋の煮込みをシンプルにパンで挟んだもの。トスカーナの街には至るところにランプレドットの屋台がありますが、その屋台スタイルを再現し、手で持って食べられるようにパンに紙を巻いて出す演出がこころにくく、あたたかい気持ちになります。屋台と違ってモツの臭みはありませんが、屋台でランプレドットに必ず添えられるサルサベルデ(イタリアンパセリ)やピカンテ(辛いオイル)も用意されているので、トスカーナに行ったことがある人なら旅の記憶がよみがえるはず。また、トスカーナといえば栗。鳩のラグーソースをかけた栗粉のニョッキは、栗の甘みと鳩のコクがよく合って、これまたトスカーナの秋の空気を思い出させます。

 ああ、旅に出たい……(夢想)。世知辛い世の中、食事の最中ぐらい夢想にふけるのもいいものです。楽しいことを考えて笑顔になり、美味しいものを食べて笑顔になり。さあ、ニコニコ美人を目指しましょう!

栗の甘みが生きたニョッキを濃厚な鳩のソースで味わう「鳩ラグー ニョッキ」。シチリア産のパキーノトマトの酸味が全体を引き締める。(イタリアを旅するコースの4皿目)

IL TEATRINO DA SALONE(イル テアトリーノ ダ サローネ)
住所 東京都港区南青山7-11-5 HOUSE7115 地下1階
電話番号 03-3400-5077
ランチ 12:00~16:00(ラストオーダー13:00)
ディナー 18:00~23:00(ラストオーダー20:00)

定休日 日曜日、第1・3月曜日
メニュー コース ¥8500、ランチコース ¥6500、テイスティングワインコース(ワインと料理込み) ¥11225(すべて税抜・サービス料別)
備考 ランチタイムは個室限定でお子様連れも可能
URL www.ilteatrino.jp

小松めぐみ (こまつ めぐみ)
東京都生まれ。食い道楽の親の影響で、10代半ばにして料理に目覚める。大学卒業後、出版社勤務を経てフリーランスに。2000年に独立し、主に雑誌で飲食関連の記事を編集している。

Column

小松めぐみの“キレイになれる”レストラン

食べてキレイになれる一皿、見て美意識が刺激される一皿や、そこに行くためにはキレイにしなきゃと思えるレストラン。キレイのモチベーションを高めるお店や料理を、フードライター歴13年の著者がご紹介。

2013.10.15(火)