洗練されたイタリア郷土料理の美味しさに感動し、美を育む!

IL TEATRINO DA SALONE (イル テアトリーノ ダ サローネ)
メニュー名:Un viaggio All'italiana (イタリアを旅するコース)

「グアンチャーレ インサラータ」は、クミン、蜂蜜、白ワインビネガーで味付けしたマグロほほ肉。噛むほどに力強い旨味が味わえる。(イタリアを旅するコースの3皿目)

 東京のおしゃれな街の代名詞である青山と広尾。その間に位置する日赤通りは最寄り駅から徒歩10分以上かかる陸の孤島ですが、グルメな大人が集うエリアでもあります。駅からタクシーに乗ってでも行きたい! 食べ手をそんな気持ちにさせる個性的なお店だけが集まっている通りだといえましょう。

 今回ご紹介するのは、日赤通りの地下にある隠れ家的なイタリア料理店「イル テアトリーノ ダ サローネ」。カウンター8席と個室2室のみの、知る人ぞ知るお店です。2010年のオープン当初にこのお店が話題になったきっかけは、「『サローネ』グループの期待の新店」として、でした。

空豆のプリンに、レモンのクリーム、ペコリーノチーズをまぶしたパイを添えた「空豆のブディーノ」。(イタリアを旅するコースの1皿目)

『サローネ』グループのお店は、食材の取り合わせの妙が感動的なおまかせコースと、自然派ワインのプレゼンテーションが得意です。料理は奇をてらったものではないのですが、イタリア帰りのシェフが現地で感動した伝統料理や郷土料理が、シェフなりの解釈で再構築されているため、洗練されているのです。たとえばほのかな柑橘類の香りやウイキョウの清涼感、松の実のコク、レーズンの甘みといったシチリア料理の独特の要素がちりばめられていて、時々「ハッ」とさせられます。ハッとして、美味しさに微笑む。一度の食事でそういう感動を何回も体験できると、眉間に刻まれたシワも薄くなるというもの。感動は、美を育む素材です。

 というわけで、「イル テアトリーノ ダ サローネ」は、私が好きな「キレイになれるレストラン」の一軒です。おまかせコースはランチもディナーも共通で、全8品(\8500)。最近、ランチタイムだけの新しいコースが登場したと聞いたので、早速うかがってみました。

バールの定番デザート「ボンバ」は、まさにチョコレートの「爆弾」。甘さが爆発する!

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2013.10.15(火)