星野リゾートが運営する宿泊施設の最大の魅力は、その土地に寄り添った宿づくりにある。リゾートホテルであれ温泉宿であれ、地域に根付いた伝統や文化をさまざまなカタチで体感させてくれるのだ。

 そんな星野リゾートの3施設に、この春から夏にかけて、新しい客室が次々と誕生!

 より一層ご当地色が感じられるようなアイデアを凝らし、ワンランク上の滞在を叶える新客室の魅力に迫る。

迫力満点!
ねぶた尽くしの客室

◆星野リゾート 青森屋

 青森の文化を満喫できる宿「星野リゾート 青森屋」に、青森ねぶた祭をテーマにした客室「青森ねぶたの間」が完成した。

 構想から完成までなんと約1年! 部屋の随所に設えられたダイナミックな“ねぶた”は、本場青森の熟練ねぶた師・竹浪比呂央氏の協力を得て制作されたもの。

 作品の題材は、古代東北の3人の英雄たちだ。この題材の選択の裏には、東北復興の願いや祈りも込められているという。

 例えば、主室のソファに腰掛けると、今にも動き出しそうな迫力満点のねぶたがすぐ目の前に。

 この天境立体ねぶたのモチーフは、“東北の雄 阿弖流為(アテルイ)”。平安時代初期、大和朝廷の度重なる侵攻にも屈せず戦い続け、東北の地を治めていたとされる人物だ。

 幅約3.2メートル、高さ約1.4メートルの立体ねぶたは、北方の守護神・毘沙門天(びしゃもんてん)のご加護を得て、阿弖流為が奮闘する勇姿をあらわしている。

 また、客室で現実を忘れて過ごせるようにと、主室のテレビにはねぶた絵のスライド式パネルが設置されている。

 テレビを見ないときはねぶた絵の鑑賞ができ、テレビを見るときには開ける楽しみがある。これまたなんとも粋な仕掛けだ。

 主室だけではなく、玄関や寝室などにもねぶたが設えられているのみならず、青森ねぶた祭の踊り手である“跳人(はねと)”の衣装まで常備されているのだから、その徹底ぶりはお見事というしかない。

 スペシャルな滞在を楽しんでもらうための仕掛けが随所に施され、客室全体がねぶた尽くしの「青森ねぶたの間」は、眠れないくらいの迫力を感じさせる客室なのだ。

 青森の郷土文化を伝えるため、南部裂織(なんぶさきおり)やりんご輪紙を取り入れた個性的な客室が多彩にある中でも、青森の祭りを代表する“青森ねぶた祭”をテーマにした新客室「青森ねぶたの間」は、1室だけの特別ルーム。

 食事や温泉だけではなく、客室で過ごす時間も忘れられないものとなるように。

 そんな想いから誕生した「青森ねぶたの間」で過ごす時間は、これまでに体験したことのない非日常の世界へと導かれるひと時になるはずだ。

星野リゾート 青森屋

所在地 青森県三沢市字古間木山 56 
電話番号 0570-073-022(星野リゾート予約センター)
https://noresoreaomoriya.jp/

文=立花奈緒(ブレーンシップ)