国際列車も乗り入れている、北ロンドンのキングズ・クロス駅&セント・パンクラス駅周辺は、ここ10年以上もの長きにわたり、じわじわと開発が進んでいるエリア。

 運河をはさんで駅の北側に、昨年の秋にオープンしたのがコール・ドロップス・ヤード(Coal Drops Yard)というショッピング・モールです。

 その名前が示すとおり、もともとは19世紀のヴィクトリア時代に、主要燃料として使われていた石炭を、鉄道の荷台から文字通り落としていた石炭置き場。

 それが、ガラス工場やナイトクラブなどの変遷を経て、ショップやレストランなど約50店舗を擁するショッピング・モールとして生まれ変わりました。

 総合文化施設やアートスクールが近接するエリアだけに、コール・ドロップス・ヤードに入っているのは、ちょっと個性的なショップやレストランたち。

 例えば、家具や照明を扱う英国人デザイナーのブランド、トム・ディクソンは、ショップはもとより、イスラエル出身のセレブリティ・シェフ、アッサフ・グラニットとのコラボでレストラン、コール・オフィスも同じ屋根の下に。

 アラン・デュカスもチョコレート・ショップと併せてカフェを展開。

 パリの自社でローストしたオリジナルブレンドと、シングルオリジンのコーヒーを提供すると同時に、豆の販売も行っています。もちろんホットチョコレートも健在です。

文・撮影=安田和代(KRess Europe)