五感美容にとどまらない第六感に届くキレイの“薬局”

a 有機オート麦に複数の穀物をブレンドした朝食シリアルはミネラル、植物繊維豊富。オーガニックミューズリー(上から時計回りにココア、フルーツ、プレーン) 各375g ¥892/ミトク

b カランツ、アーモンド、クランベリーなどが入ったシリアルバー。無添加、無着色。ビューティー・バー ¥252/ニールズヤード レメディーズ

c オリーブオイルをはじめ、原料はすべてシチリア島産。バーニャカウダソース 100g ¥987/バーチ

d 分子を小さくして吸収性を高め、酸素を体の隅々まで運び、基礎代謝をサポートする天然水。XYZ 500ml ¥250/グローブサイエンス

e 微炭酸の植物性100%コーラはノンカフェイン。GALVANINA BIO COLA 355ml ¥390/バーチ

f 白檀やフランキンセンス配合の上品な香り。オリジナルバスピローもセットに。ハーバル アロマ ビューティー バス リラクゼーション オイル キョートリラクゼーション 120ml ¥7350/デイカ ジャパン

 日本人はある意味とてもせっかちだ。電車の遅れは基本あってはならないし、コンビニが発展したのも、夜も朝もすぐに欲しい。待てないから。

 逆に“食べ物”をそのまま美と健康につなげる“インナーケア”が本当の意味で根付くのには、意外に時間がかかった。キレイにも“せっかち”だから。

 いわゆる“ヒーリングケア”的考え方も、流行には敏感に反応するから、すぐにブームになったが、引くのも早かった。でも今、逆に本当の意味で五感のすべてを研ぎ澄ませて、感じて癒してキレイになる生活を始める人が増えてきたのは、むしろ最近のこと。せっかちな日本人にも、“五感美容”の見えない力がようやく見えるようになったわけだが、そこに一役も二役も買ったのが、伊勢丹にあるビューティアポセカリー。

 伊勢丹は、名実ともに化粧品流通のトップに君臨し続けているが、ナチュラルオーガニック系だけを集めたのが、今まで2階フロアにあったアポセ。それがこの秋、全面リニューアルして、地下2階ワンフロアを占めることになり、それも五感美容が根付いた証。食の充実が特に目覚ましく、旬の野菜をドラマチックにアレンジする青山のHATAKEが出店し、デリも豊富。まさに食べるビューティスポットとなる。“ナチュラルフード”のマーケットのようなコーナーがまた、他に例を見ないもの。レトルト食品やワイン、調味料までオーガニック系で揃えていて、片っ端から試してみたくなる。朝食のシリアルから、3時のおやつ、夜のナイトキャップまで1日のすべてがここで揃ってしまうから、完璧なインナーケア生活が可能となるのだ。

 さらには、オーガニックブランドのミックスメニューもあるスパサロンが常設されたこともニュースだし、今をときめくブックディレクター幅允孝氏セレクトの“美にまつわる本”のコーナーができたのも感動!!

 アロマキャンドルのように嗅覚に訴えかける五感美容から、視覚とその先にある感性、想像力にまで訴えかける“品揃え”となったのだ。お風呂で使うアロマピローなどで、暮らしをいつの間にかまったく新しい五感美容生活に塗り替えてくれる予想を超えるラインナップはちょっとすごい。まさに“第六感美容”と呼べるものを、ここアポセカリーが初めて成立させたのである。

 ちなみに“アポセカリー”とは「薬局」のこと。漢方薬局やサプリ薬局も、他にはなかなかないものだけれど、今回、女性の悩みをひと通り相談できる女性医師によるライフクリニックが新設されたのも忘れちゃいけない。毎日10時~20時、土日も診察可能だから、女の駆け込み寺になるのだろう。

 かくして、そこは五感どころか第六感にまで手厚く届く新しい美の拠点になりそう。本物のインナーケアはここにある。ここ“アポセ”でキレイになれる人は、感性に優れた賢い人……今まさに、そんな気がする。

Column

齋藤 薫 “風の時代”の美容学

美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。

2012.10.29(月)

CREA 2012年11月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

初めての母になる!

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