朝から夜までにぎわう
ガストロノミー・マーケット

 レストラン巡りも楽しいが、地元の人々の暮らしに密着した市場には別の楽しみがある。

 マドリードの市場のなかでも、街の中心にあり、もっともにぎわっているのがサン・ミゲル市場だ。朝から夜遅くまで途切れることなく人々の胃袋を満たしてくれる。

 サン・ミゲル市場は、もともと生鮮食品卸売市場として1916年にオープンした市場で、建物はマドリード市内では数少ない鋳鉄建築の傑作と言われている。

 その美しい建築はそのままに、2009年にマドリード初のガストロノミー・マーケットとして新装オープンした。

 イベリコ豚の生ハム、生ガキ、チーズ、オリーブから、各種タパス、パエリヤ、スイーツ、新鮮なフルーツまで、場内には20軒以上の固定店舗と、移動式のスタンドがある。

 生ハムは注文してからスライスしてくれるし、生ガキもその場で開いてくれて、どれもベストな状態で食べることができるのだ。

 中央にはイートインスペースが設けられているので、市場で購入したものをその場で食べることができる。

 軽くつまんで小腹を満たすもよし、お腹いっぱい食べるもよし、夕食前のアペリティーヴォにもよし、あらゆるシーンで楽しむことができる。ついつい長居してしまいそうな楽しい市場だ。

Mercado de San Miguel
(サン・ミゲル市場)

所在地 Plaza de San Miguel, s/n, 28005 Madrid
http://mercadodesanmiguel.es/

2019.03.10(日)
文・撮影=たかせ藍沙