お酒に合う焼き菓子
ハイカカオのかき氷

 カフェのメニューをご紹介しましょう。

 「コーヒー」は、伊丹の「otimo」のオリジナルブレンド。深煎りと中煎り、2種類の焙煎の異なる豆が用意されています。

 注文があってから豆を挽き、1杯ずつ、ていねいにいれられるコーヒー。使われているのは、こだわりの道具。マグカップでさりげなく出されるのもいい。

 「本日の焼き菓子」は、「マツリカさんとHIKEさんの焼き菓子を週替わりでお出ししています」と永田さん。

 どちらも店舗を持たず、限られたカフェやイベントでの出店で人気を集めており、週替わりとはいえ、両方の焼き菓子を食べられるお店は他にありません。

 取材時は、「マツリカさんのりんごのクランブルパイ」。青森県産の完全有機無農薬栽培のリンゴ、平飼い鶏の卵など、こだわりの食材を使っていて、ピュアな味わい。しっかりしたリンゴの酸味と甘みが広がります。

 合わせるのは、コーヒーももちろんいいのですが、永田さんのおすすめは、シェリー酒。黒糖のような甘みで紅茶のような香りがするという「モスカテル・アルグエソ」。まったりとした風味が、甘みを控えた焼き菓子にぴったり。

 「実は、お酒に合う焼き菓子をと、お願いしているんです。HIKEさんのタルトは、砂糖を使わずに塩をきかせているんですよ」とにっこり。

 シェリーは、エレガントな香りで二段階熟成のアモンティリャードなど、数種類を置いているそう。焼き菓子との昼酒おやつタイム。ぜひ、お試しあれ。

 フードは、サンドイッチ。「lichette(リシェット)」の有機ライ麦配合のカンパーニュを使っています。

 「このリシェットさんが近くにあるから、逆瀬川に自店を構えたんです」と、永田さん。小さな庭の植物で起こした自家製酵母使用のパンは、しっとり優しい味わい。

 「パンのおいしさを伝えたい」と、ごく薄くスライスして、たっぷりの野菜やシュリンプなどを挟み、「本日のサンドイッチ」に仕立てます。

「自家製パンチェッタやローストビーフを使ったものなど、ローテーションでお出ししています」
 

 隠れメニューが、かき氷。ふわふわで、口に入れるとすうっと消えてしまうかき氷は、冬でも食べたいもの。夏にはできない濃厚な蜜を用意するのだそう。

 「ショコラ」は、82%と72%のカカオを合わせた大人味。中には、キャラメリゼした紅玉リンゴと香り立つラムレーズン。カカオニブが食感のアクセントです。

 かき氷が1年中味わえるお店としても、注目を集めそうです。

「シャツやアクセサリーなど、作家さんの作品を展示販売していきます」

 おいしいものだけでなく、おもしろいものにも出合えるパラダイス。大人のための隠れ家は、シンプルなおいしさと遊び心いっぱい。

 「今は夕方までのカフェ営業ですが、2019年からは、バー営業もしたいと思っています。日本酒やこだわりのチーズなども楽しんでいただきたい」

 大人のおやつのパラダイスです。

café & paradis Un berger manquant
(アン ベルジェ モンクゥ)

所在地 兵庫県宝塚市逆瀬川1-13-27 トヨタビル201号室
電話番号 050-7117-6356
https://www.instagram.com/yukuehumei_no_hitsujikai/

宗田洋子(そおだ よおこ)

ライター。神戸生まれの神戸育ち。神戸を離れたことがない神戸っ子。ライター歴30年以上で、関西の雑誌の取材だけでなく全国誌でも関西取材を手がけ、老舗から新店まで回ったお店は数知れず。移り変わる街を見続けてきた。食いしん坊で飲んべえ。

Column

そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行

生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。

2018.12.22(土)
文・撮影=そおだよおこ