#160 Marseille
マルセイユ(フランス)
南仏リヴィエラの中心地マルセイユは、フランス第2の人口を有する、この国最古の都市。水平線の向こうにアフリカ大陸が控える天然の良港には、世界各国から人々が訪れ、様々な人種や文化が混ざりあっています。
マルセイユの建都は、紀元前600年のこと。
新天地を求めて航海していたギリシャ系のフォカイア人がマルセイユにたどりつき、背後を丘陵で守られた、深い入り江をいたく気に入りました。
そこで船団長のプロティスが先住の王に友好の挨拶に行ったところ、ちょうど王女ジプティスの婿選びの宴会準備の真っ最中。そこで招待にあずかることに。この地方の婿選びは、宴もたけなわになった頃、娘が気に入った相手に水をたたえた杯を捧げる習わし。
奇しくも、王女ジプティスが選んだのは、船団長プロティス。彼はめでたく婿となり、土地を与えられ、マッサリア(マルセイユ)が誕生したそうです。
マルセイユの街を一望するなら、海抜約154メートルの丘の上に立つノートル・ダム・ド・ラ・ガルド・バジリカ聖堂へ。
人々が親しみをこめて“ボン・メール” (良き母)と呼ぶ、キリストを抱いた黄金の聖母マリアが、聖堂の鐘楼の上から港を行き来する船や人々を見守っています。
2018.10.27(土)
文・撮影=古関千恵子