秋の気配が濃くなってくると、あたたかいお茶でほっと一息つくのがさらに楽しみになりますよね。そして、ただほっとするだけではなく、美容に効果抜群なのも、お茶の特徴。特に煎茶は、よく知られるカテキンのみならず、アミノ酸やビタミンCなどが含まれている、バランスよく万能なお茶。そんなお茶をさらにおいしく、風味や成分もしっかり味わうには、淹れ方も重要。

 そこで、埼玉県東大宮にある、狭山茶専門店「茶 岡野園」で、おいしいお茶の淹れ方を教えてもらった。

(1) まずは、茶器を用意する。急須、湯のみ、茶葉、茶さじ、ポットにお湯を準備しておく。

(2) 湯のみにお湯を入れる。お湯は1回別の容器に移動すると、10度ほど温度が下がると言われており、一度沸騰させたお湯をポットに、さらに湯のみに移すことによって80℃まで湯温を下げる。

 80度に下がったお湯を、さらに少し置くと、うま味や甘味を抽出してくれる適温になる。渋めのお茶が好きな場合には、熱めに淹れると、好みの味に仕上がるはず。

(3) 茶葉を急須に入れる。2人分は6グラム。1人のときは少し多めに5グラムで。人数にあわせて量を調整。

(4) 湯のみのお湯を急須に移し、1分待つ。

(5) 濃さや味わいが均一になるよう、交互に湯のみに注ぐ(「廻し注ぎ」という)。この時に、急須を振ると雑味が出てしまうので、静かに傾けるのがポイント。

(6) 最後の一滴まで根気よく注ぎ切ろう。ゴールデンドロップと言われるほど、最後の一滴にはぎゅっとうまみが凝縮されている。ぜひそのおいしさを逃さずに味わいたい。

 お茶の淹れ方は、形式にとらわれすぎずとも、自分の好きな味や、その日の気分に合わせて少しずつ変えていくこともできる。お湯の温度、茶葉の量などをカスタマイズして、渋味や甘味を調整し、自分に合った味を見つけよう。

 「茶 岡野園」で扱う茶葉は、深いコクと甘みが特徴の狭山茶。お店でも味わうことができるので、まずは足を運んでみて、茶葉を選んでみるのも楽しい。

茶 岡野園

所在地 埼玉県さいたま市見沼区東大宮4-7-7
電話番号 048-665-2100
営業時間 10:00~19:00
定休日 木曜日(不定休あり)
http://www.okano-en.com/

2018.10.10(水)
文=CREA編集部
撮影=松園多聞