◆饂飩ト酒 丸ジン[神宮前]

原宿と渋谷の間にある
“ちょうどいい空間”

 明治神宮前駅から明治通りを渋谷方面へ。老舗ライブハウスのクロコダイルが見える頃には、原宿的な喧噪は消え、落ち着いた雰囲気になる。そのまま進めばまた渋谷の喧噪に包まれるが、ここは大人の安全地帯だ。

 かつて宮下公園があった場所の向かいに、2018年4月にオープンしたのが、GEMS神宮前。市ヶ谷や恵比寿にも展開する商業施設で、なかなかいいレストランを揃えている。今夜の目的地は9階の「饂飩ト酒 丸ジン」。

 エレベーターが開くとすぐに「いらっしゃいませ!」の声。活気にあふれた空間が広がる。大きなオープンキッチンが目に入る。囲むように配されたカウンター席がいい感じ。テーブル席や、掘り炬燵式の小上がり席もある。

 3人でカウンター席へ。さっそく上がる要素その1。イケメンスタッフの登場だ。

 日本酒推しの店ではあるが、「蒸し暑い日はこれでしょ!」と、まずはレモンサワー(550円)。お通しはおでん。大根、玉子、さつま揚げなど。ゴルゴンゾーラとマスカルポーネ蜂蜜を添えて(800円)、そぼろチーズ(550円)。写真にないが、パリパリピーマン(500円)も注文。

 牡蠣の自家製バターソテー(800円)のあたりで日本酒にシフト。写真を忘れたが、自家製和牛の叉焼(800円)はネックの部位をおでん出汁で煮込んだもの。ホロホロと身が崩れたところに辛子をちょいとつけて。

 エイヒレの唐揚げ(600円)、タルタルソースもうまい鶏天南蛮(600円)。

 イチ押しの一品が来た。上がる要素その2、パルマ産生ハムとパンチェッタ(1,500円)。

 「是非、こちらと一緒に」と、イケメンが運んできたのはひと口分の白飯。生ハムで包んで口に入れる。ごはんの温かさに生ハムの脂がとけてきたところでぬる燗の香露をキュッとやる。

「では、焼いたお肉もいきましょう」

 えっ? そういうラインナップなの? ここ?

2018.07.04(水)
文・撮影=Keiko Spice