居住空間すべてを
ビスポークできるデザインセンター

 テムズ河のすぐ近く、西ロンドンのチェルシー・ハーバーにそびえる3つのガラスドームは、居住空間すべてのインテリアに関わる600以上ものブランドが軒を並べ、120ものショールームを擁するデザインセンター。インテリアデザインの殿堂とも呼ばれています。

左:それぞれの建物の中央部分は、吹き抜けのガラスドーム。ペンキ塗りの刷毛をかたどった、ファブリックのデコレーションが配されていました。
右:カフェも充実。ランチもここで食べられます。

 サウスドーム、センタードーム、ノースドーム、デザインセンター・イーストという4つの建物のなかには、床素材やタイル、壁紙といった素材をビスポークするブランドから、浴室やキッチン・デザイン、照明や家具、部屋を飾るオブジェなどの美術品を扱う業者までが集結、一日では見尽くせないほどの充実度です。

渡り廊下部分には、そのフロアにあるブランドや業者のパネルが並びます。

 そんな多くのデザイナーや業者、ブランドのなかから、目にとまったものをいくつかピックアップしてご紹介しましょう。

 まず、クラシカルなファブリックやタッセルなどが、ガラス越しに目を引くワッツ・オブ・ウェストミンスター(WATTS of Westminster)。

ワッツの美しい壁紙の数々。伝統的なウッドプリントのものも数多くあります。
クラシカルなディスプレー家具も美しいワッツのショールーム。

 木製のキャビネットも、年季を感じさせます。それもそのはず、この会社の創業はなんと1874年。セント・パンクラス駅の建築で知られる歴史的建築家ギルバート・スコットの長男が同僚建築家たちと立ち上げた会社で、教会などに向けて壁紙やファブリック、タペストリー、タッセル類の装飾などのデザインを行っていたとのこと。

 ふたつの大戦中は営業を停止していましたが、1947年に再開し王室のイベントなどに関わってきたほか、最近では、ロサンゼルスのミシュラン・スター・レストラン、ノマド(NoMad)や、モナコのモンテカルロ・カジノなどの内装にも素材を提供しています。

左:壁紙のウッドプリント原版。英国内の専門の職人がこの古い版を使って、今も手でプリントをしています。
右:引き出しから溢れんばかりの縁飾りの数々。
左:見事なタッセルはすべてビスポーク可能。
右:無造作に置かれた壁紙や壁に貼るためのファブリック。シルク製のものも。

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2018.03.26(月)
文・撮影=安田和代(KRess Europe)