Magnificent View #1376
プノンペン(カンボジア)
19世紀にはフランスの植民地下で「東洋のパリ」と呼ばれる美しい街並みが築かれたプノンペン。往時の面影を残すカンボジアの首都は今、多くの旅行者を魅了している。
近年は政治、経済の中心地としてにぎわうこの街も、1975年から20年以上、ゴーストタウンと化していた悪夢の時代があった。いまだ記憶に新しい、恐怖政治と内戦のためだ。ポル・ポト率いる共産勢力クメール・ルージュがプノンペンを制圧し、多くの人々がスパイ容疑のもとに拷問のうえ処刑された。犠牲者は100万人以上にものぼったといわれている。
内戦が集結し、新生カンボジアが誕生したのは1993年のこと。シアヌークが国王に再即位して帰還して以降、街は目覚ましい発展を遂げた。
中心地にはビルが立ち並んでいるが、メコン川を渡れば、今ものどかな農村が残る。ご覧のように、対岸の近代的な風景を眺めながら川を渡るツアーが人気を集めているという。
Column
今日の絶景
この広い地球上には、まだまだ知られざる素晴らしい景色がある。思わず息を飲んでしまう雄大な自然、ミステリーにあふれた驚きの奇観、そして、人間の文明が刻んだ偉大な足跡……。ここに、選りすぐりの絶景をお届けします。さあ、ヴァーチャルな世界旅行へと出かけよう!
2018.03.07(水)
文=芹澤和美