新潟県佐渡島は、観光名所としていま脚光を浴びはじめている離島のひとつ。豊かな自然にめぐまれ、海岸沿いにつづく奇石や怪石、山間に広がる棚田など、この地ならではの絶景や見どころが数多くある。また貴族文化や武家文化、そして町人文化など多種多様な文化が融合した伝統文化は、「日本の縮図」と言えるほど豊かで複雑だという。

 そんな佐渡島の歴史的遺産や伝統文化を今までにない演出で体験できる、「夜のミステリーバスツアー」が開催されると聞いて早速行ってきた。「行き先の分からない」夜の遺産をめぐるミステリーバスツアーとは……⁈

新潟駅へ出発!

上越新幹線に乗って、東京駅から新潟駅へ。先頭部分がぷっくりと突き出した、ロングノーズ・デザインが印象的な「Maxとき」。

 2017年12月上旬、新潟県佐渡島で“行き先の分からない”夜のミステリーバスツアー「ようま観光バスツアー」が開催された。「ようま」とは、佐渡の方言で「夜」という意味。佐渡に語りつがれる民話や伝承、ゆかりのある土地の逸話や地酒などを、ミステリアスな夜の演出で味わうバスツアーだ。

 東京駅から新潟駅までは上越新幹線で約2時間。越後湯沢を抜けると、車窓からの眺めはいっきに雪景色に変わり、まっ白な山々の幻想的な景観が広がる。

ちょうどこの日、新潟県内では本格的な雪が降りはじめ、新潟駅周辺も白銀の世界に。

 新潟駅に到着すると、うっすら雪が積もっている。新潟市内は降雪量は少ないというが、ちょうどこの日は夜中から本格的に雪が降りだしたそうだ。雪の日の澄みきった空気が、すがすがしくて気持ちいい。

 そして、新潟本土から旅客船ジェットフォイルに乗って佐渡島へ向かう。新潟駅からジェットフォイルのターミナル「佐渡汽船新潟港」までは、路線バスで約15分、タクシーだと10分ほど。この日は雪が止んでいてスムーズに港まで到着したが、タクシーの運転手さんのいわく、吹雪で視界が悪いときは少し時間に余裕を持って向かったほうがよさそうだ。

ジェットフォイルに乗って
いざ佐渡島へ!

新潟~両津航路を運航するジェットフォイルは、「ぎんが」「つばさ」「すいせい」の3隻。天候により運航状況が変わる可能性があるので、佐渡汽船のホームページで事前にチェック!

 佐渡汽船新潟港に着いたら、乗船する前に受付で座席の指定を忘れずに。全席指定席なのだ。ジェットフォイルに乗船したら、佐渡島両津港へ向けて出航。2階の窓際席から眺める大海原は、海の深さによって全く色が異なり、見ているだけでわくわくしてくる。

 両津港までは1時間05分。大きな揺れはほとんどなく、とっても快適だ。船体を海面に浮上させて走行することで、3.5メートルの荒波でも時速80キロの高速で疾走できるそう。TVモニターや給水器など船内の設備も充実している。

佐渡汽船
http://www.sadokisen.co.jp/

【ご乗船の予約・旅行商品の申し込み問い合わせ】
電話番号 0570-200310
営業時間 9:30~18:00

佐渡島に到着!

佐渡島両津港へ到着。船を降りると、「佐渡おけさ」の音楽がきこえてくる。

 佐渡島両津港に着船。両津港は、佐渡を訪れる人のほとんどが利用する、いわば佐渡島の玄関口。両津港ターミナルの改札を出るとすぐ左手には、土産店がずらりと並ぶ「シータウン商店街」が。和・洋菓子をはじめ海産物や加工品、酒類に工芸品と、地元の名産品がひととおり揃っている。すぐにでも買いたい気持ちを抑えて、帰りの乗船まえに買い物リストを脳内に作成。

シータウン商店街
所在地 新潟県佐渡市両津湊353-1
営業時間 8:00~19:30(冬期 8:00~17:00)
定休日 無休
https://www.visitsado.com/spot/detail0020/

周囲約17kmにもおよぶ加茂湖は、日本の離島の中でも最大の湖。

 日本に400島以上もあるという有人離島。その中でも佐渡島は、面積約855平方キロメートルと、日本海側では最大。北側には大佐渡の金北山などの山地、南側の小佐渡には大地山などの山地が広がる。「赤亀岩」の奇石・怪石や、岩首地区の標高350メートルを超える山間に広がる棚田など、絶景ポイントが多数ある。

 両津港から車で5分ほどの加茂湖もおすすめスポットのひとつ。日本の離島の中でも最大の湖で周囲は約17キロメートルもある。総面積では4.90平方キロメートル。山梨にある河口湖より少し狭く、本栖湖より広い。日本百景にも選定されており、目の前にひろがる広大な湖と、その先にそびえ立つ雄大な金北山の情景は感動的で、特に早朝の湖はまさにアート。油絵で描いたような幻想的な雲のひろがる空と、煌めく湖面は本当に美しく、いつまでも見飽きることがない。

 食事や買い物を楽しみたい場合は、両津港のちかくの商店街へ。港から徒歩7分ほどの場所にある「両津夷本町商店街」は80以上の店舗があり、カフェや寿司屋、居酒屋などの飲食店のほか、特産の魚介や乾物などを扱う商店を中心に軒を連ねる。意外にも書店やレコード店が多いのは、文化・教養に関心が高い土地柄なのかもしれない。昭和レトロのオシャレな雰囲気を感じさせる町並みは、ぶらっと散歩してみても楽しい。

両津港から車で約4分の場所にある「いしはら寿司」。霜降りの寒ブリとイカのにぎりは、鮮度抜群で柔らかい。お米は、あまくて美味しい佐渡産コシヒカリを使用。

いしはら寿司
所在地 新潟県佐渡市両津夷184
電話番号 0259-27-2658
https://www.facebook.com/ishiharasushi/

2017.12.28(木)