知る人ぞ知る美食の国、マレーシア。この連載では、マレーシアの“おいしいごはん”のとりこになった人たちが集う「マレーシアごはんの会」より、おいしいマレーシア情報をお届け。

渋谷で本場のナシレマッが
食べられます!

 日本ではまだあまり知られていないマレーシア料理をマニアックに紹介している、このコラム。連載70回を超え、そろそろ座学から実践篇へ。おいしいマレーシア料理を日本でも食べてみませんか?

 そこで、われら「マレーシアごはんの会」のお気に入りの店のおすすめ料理をひとつずつピックアップして紹介。全8回のシリーズでおとどけします。今回はずばり、「ナシレマッを食べるなら、渋谷のマレーアジアンクイジーンに行くべし!」です。

「マレーアジアンクイジーン渋谷店」の「ナシレマ」1,280円。揚げたゆで卵、鶏のカレー煮込み、ピーナッツ、煮干し、ご飯がひと皿に盛り付けられている。小皿に入ったサンバルと一緒に、すべて混ぜて食べる。

 ナシレマッは、以前のコラム「マレーシアごはんといえば「ナシレマッ」、豊かな食文化が育んだ珠玉のひと皿」「マレーシアごはんを最大限に楽しむ! 「ナシレマッ」おかずランキングベスト5」で紹介したマレーシアの国民食。和食でたとえるなら、おにぎりぐらいポピュラーで、年齢や民族を問わず、マレーシア人みんなに愛されている料理です。

 ナシレマッで味のポイントとなるのは、ココナッツミルクで炊いた香り高いご飯。「マレーアジアンクイジーン」では、ココナッツミルクではなく、濃度の高いココナッツクリームを使い、ふくよかでリッチな甘い香りに仕上げています。バターも加え、ご飯を艶やかに、ひと粒ひと粒をパラパラにコーティング。このバター効果で、サンバルやおかずがご飯にまんべんなくからむのです。

 店で仕込むサンバルにもひと工夫。唐辛子、生姜、玉ねぎ、にんにくといった基本の食材に、小海老の発酵調味料ブラチャンをしっかりきかせ、現地の味を忠実に再現。コク深いサンバルが、香り豊かなご飯によく合うんです。

 そして、煮干しはカリカリに素揚げにしたものと、サンバルで炒めて佃煮風にしたものの2種。ココナッツミルクとスパイスで長時間煮込んだチキンルンダンも付いています。このように現地で定番のおかずも一気に味わえる“ザ・マレーシア”なひと皿で、日本在住のマレーシア人も絶賛なのです!

「この店のナシレマッが日本でNo.1!」と在日37年のキョンさん。(写真提供:キョンさん)

2017.12.15(金)
文・撮影=古川 音(マレーシアごはんの会)