マレー半島とボルネオ島北部にまたがる常夏の国、マレーシア。実はこの国、知る人ぞ知る美食の国なのです。そこでこの連載では、マレーシアの“おいしいごはん”のとりこになった人たちが集う「マレーシアごはんの会」より、おいしいマレーシア情報をお届け。多様な文化が融け合い、食べた人みんなを笑顔にする、とっておきのマレーシアごはんに出会えますよ。

マレーシアの国民食「ナシレマッ」

 マレーシア人がこよなく愛する料理「ナシレマッ」。多くの日本人は、「どんな料理?」と首をかしげるのではないでしょうか。マレーシアの料理で多くの人が思い浮かべるのはおそらく「ナシゴレン」、いわゆるマレーシア風チャーハン。マレーシア語で「ナシ」は米、そして「ゴレン」は炒めるという意味で、「ナシレマッ」は同じく「ナシ」(米)を使った料理。「レマッ」は脂肪を意味し、直訳すると「脂肪ごはん」。一瞬ぎょっとするような料理名だけれど、実はこの「ナシレマッ」こそ「マレーシアの国民食」と誉まれ高い料理なのです!

マレーシアの国民食「ナシレマッ」(「マ」の後に促音「ッ」が入るのがポイント)。2014年秋に日本のテレビ番組で、料理研究家のコウケンテツさんが紹介。「ひと皿でいろんな味が楽しめて、本当にうまいんです!」と、その味を絶賛していた。

「脂肪ごはん」なる正体の主役はココナッツミルク(脂肪)を入れて炊いたごはん。ふわっとしたココナッツミルクの香り豊かなごはんに、油で揚げた小魚、ゆで卵、きゅうり、素揚げしたピーナッツ、お店によっては肉や魚のおかず、そしてマレーシア料理には欠かせない激辛サンバルソースを添えて、ナシレマッが完成。ごはん、おかずを混ぜ、サンバルソースの量を調整しながら口に運ぶと、小魚やピーナッツのカリカリッとした食感、ごはんの香りと卵の柔らかい食感、そしてサンバルソースの辛味が口の中で絶妙に溶け合って至福の味わいに!(このサンバルソースが、また多種多様。そのおいしさとバリエーションについては、別の回でじっくり紹介したいと思います)

 日本ではまだ認知度の低い「ナシレマッ」ですが、このひと皿の料理がマレーシアで「国民食」と言われる理由とは? まずは、マレーシアという国の文化背景をひも解いてみましょう。

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2014.12.18(木)
文=三浦菜穂子
写真=三浦菜穂子、古川音

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