キプロス島は、地中海の東端に浮かぶ小さな島。世界遺産に登録された街パフォス、境界線で分断された首都ニコシア、民芸品で知られるレフカラなど、見どころがいっぱい。このキプロスを、たかせ藍沙さんがレポートします。
第4回は、レースと銀細工で知られ、「ヨーロッパの美しい村30選」に選ばれたレフカ
ラ村を訪れます。
路地歩きが楽しい
山あいの美しい村
街を離れ、標高約650メートルのレフカラ村を訪ねた。大型リゾートホテルのある海辺の街とはうってかわって静かな山あいの田舎の村だ。この村は、日本旅行業協会の「ヨーロッパの美しい村30選」にも選ばれた美しい村でもある。
舗装されている道はごく一部で、ほとんどの道は昔ながらの石畳。石を積み上げて造られた家並みは石畳によく似合っていて、眺めているだけで充分楽しい。道の名前が木製の板に彫られて同じく木製の電柱に掲げられていたりする裏路地は、どこか懐かしいような温かさを感じさせてくれる。
なかには、2軒の建物の2階部分が、細い路地を挟んで繋がっている造りの家もあった。軒先には思い思いの植物が飾られている。そこに、たくさんの花が咲くであろう姿を想像すると、春に再訪したくなってしまう。
右:土産物店の入り口で麻の布にレース刺しゅうをしている女性がいた。
村を歩いていると、小さなお店の軒先で麻の布に針を刺している女性がいた。レフカラレースだ。500年以上も前からこの地で綿々と受け継がれてきた美しいレースで、レフカラ村にはレースを売っている小さなお店がたくさんある。
レフカラレースについて詳しくは次のページでご紹介するが、2009年にはユネスコの無形文化遺産に登録されたほどの美しいレースなのだ。
2017.10.24(火)
文・撮影=たかせ藍沙