イタリアの温泉を楽しむ方法

左:自然に流れる温泉を湛える池。
右:水中写真でなく、普通に上から撮ってもこの透明度の温泉。温泉成分が沈殿した水底もよく見える。

 泉質としてはカルシウムやマグネシウム炭酸水素塩などを含んでいます。温度は源泉でも50度前後と、日本の温泉にくらべてやや低めです。

左:古から親しまれ、人々が引いた水路も今は自然にとけ込む。
右:流れる温泉を足湯で楽しむ観光客。

 町にはスパを完備した温泉施設もありますが、自然のままに温泉の流れる場所もあります。そこでは誰でも自由に温泉を楽しむことができます。

大自然に抱かれつつ、その恵みである温泉を自由に楽しむ人々。

 実はこれこそが、イタリアの温泉の醍醐味。イタリアにはこのように自然のままの温泉がいくつもあり、みんな自由に温泉を楽しむことができます。

 全般的に、イタリアの源泉の温度は高くないので、寒い冬にはかえって冷えてしまって入れません。イタリアでは温泉の季節は春~秋。日本の温泉のように寒い季節、体を温めるというのとは違いますが、温泉につかって心も体も癒されることは同じ。それがさらに大自然のなかとなると、心が感じるリラックスは倍増です。

 ただ入浴する場合は、屋内でも屋外でも水着着用が厳守ですので、イタリアにご旅行の際には、海にいく予定はなくても水着を入れておくといいかもしれませんね。

 ファッショナブルな文化や、おいしい食べ物についつい気を取られがちなイタリア旅行ですが、伸びやかでおおらかなイタリアの自然にもぜひご注目あれ。

藤原亮子 (ふじはら りょうこ)
イタリア・フィレンツェ在住フォトグラファー&ライター。東京でカメラマンとして活動後、'09年、イタリアの明るい太陽(と、おいしい食べ物)に魅せられて渡伊。現在、取材・撮影・執筆活動をしつつ、イタリアの伸びやかな景色をテーマに写真作品も制作中。イタリアでの日々をつづったフェイスブックはこちら。 https://www.facebook.com/chococogogo

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文・撮影=藤原亮子