4世代の猫が暮らす
イスタンブールの土産物店

イスタンブール旧市街の土産物店の商品の上で(!)お昼寝中の猫。店主は決して追い払ったりしない。

 トルコのイスタンブールも猫が多い町として知られている。イスラム教の預言者ムハンマドが猫好きだったことから猫が大切にされているのだという。店先では、売り物のキリム(トルコの織物)の上で寝ていようが、店の入り口をふさいでいようが、店主は追い払うそぶりすら見せない。

初めてイスタンブールに行ったときに滞在した旧市街のホテルのエントランスには、いつも同じ猫がいた。

 初めてイスタンブールに行ったときには、旧市街で滞在したホテルの入り口で、毎日同じ猫が毛繕いをしていた。レセプションで「ここのホテルの猫?」と聞いても違うという。「でも彼は毎日ここにいるのですよ」と。ホテルの猫というよりも猫の縄張りがホテルという理解が正しいようだった。

左:こちらは「フォーシーズンズ ホテル イスタンブール アット スルタンアフメット」の前で見かけた猫。高級ホテルのドアマンや通行人にもまったく動じない。
右:カフェにはスタイルのいい看板猫が鎮座していた。
こちらは化粧品の陳列棚にぴったりはまってお昼寝中。

 アジア大陸とヨーロッパ大陸を繋ぐボスポラス大橋のたもとにあるオルタキョイの町で、美しい母子猫と出会った。そこは、「ペガサス」というかわいい店構えの土産物店だった。最初は入り口に1匹。写真を撮っていたら奥からもう1匹が出てきた。

左:土産物店の店先に1匹の美猫ヴィルマを発見。
右:よく似た猫がもう1匹現れた。娘のロコムだ。

 さらに写真を撮っていると中から店主のご主人のレセップさんが出てきて、お店のカードの裏に猫の名前を書いてくれた。

 最初に寝ていた猫はヴィルマ、後から来た猫はその娘のロコム。この店には祖母のイルマもいるのだとか。イルマの母親のトゥールから数えて、なんと4世代! レセップさんがお店を開いたのは1991年。その頃から猫が棲んでいるのだとか。

左:店主のレフィエさん(右)とレセップさんご夫妻、そして店内のイスの上で毛繕いをはじめたロコム。我が物顔だ(笑)。
右:こちらはイスタンブールではなく、薔薇の町イスパルタの薔薇畑で出会った猫。

 そんな話をしていたら、店主のレフィエさんが、「プレゼントよ」と言って小さな袋をくれた。中にはナザールボンジュウのマグネットとピンが。目の形を模した魔除けだ。土産物屋さんで商品をいただいてしまうとは! 店内でかわいいピアスを見つけたので、そちらを購入。

 ステキな思い出話と、思い出の品の両方をいただいたのだった。

Pegasus(ペガサス)
所在地 Muallim Naci Cad. Yelkovan Sok. NO:1/B-C Ortaköy 34347 Istanbul
電話番号 0212-258-74-85

【取材協力】
マルタ観光局

http://www.mtajapan.com/

ターキッシュ エアラインズ
https://p.turkishairlines.com/

キプロス政府観光局
http://www.visitcyprus.com/

カタール航空
http://www.qatarairways.com/jp

日本旅行業協会
https://www.jata-net.or.jp/

キプロス・インフォメーションサービス
http://www.cyprus-info.jp/

たかせ藍沙 (たかせ あいしゃ)
トラベル&スパジャーナリスト。渡航150回超・70カ国超、海外スパ取材250軒超、ダイビング歴800本超。日々楽しい旅の提案を発信中。著書は『美食と雑貨と美肌の王国 魅惑のモロッコ』(ダイヤモンド社)、薔薇でキレイになるためのMOOK『LOVE! ROSE』(宝島社)など。楽園写真家・三好和義氏と共著の『死ぬまでに絶対行きたい世界の楽園リゾート』(PHP研究所)は4刷で、台湾・中国にて翻訳出版、第2弾『地球の奇跡、大自然の宝石に逢いに… 青の楽園へ』も中国で出版された。『ファーストクラスで世界一周(仮題)』2017年秋刊行予定。
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ブログ http://ameblo.jp/aisha
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2017.08.22(火)
文・撮影=たかせ藍沙