世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、交替で登板します。

 第153回は、日本ではあまり知られていないキプロスの美しい古都を、たかせ藍沙さんが訪ねます!

開幕セレモニーはドラマチック!

パフォスでは、パフォス2017委員会会長のクリストス・パツァリーデス氏による記者会見が開かれた。ヨーロッパやアジアなどからやってきた記者は100人あまり。

 「欧州文化首都」とは、欧州連合(EU)が指定する都市で、1年間にわたってさまざまな文化イベントを開催するというプロジェクト。1985年に選ばれたギリシャのアテネを皮切りに、2000年の9都市を除いて、毎年1~3都市が選ばれてきた。2017年はキプロスのパフォスとデンマークのオーフス、2018年はオランダのレーワルデンとマルタのヴァレッタが予定されている。

 キプロスの南西岸にある街パフォスは人口約7万人で、2016年までに選ばれた54都市に比べてもっとも小さい都市。とはいえ、ギリシャ・ローマ時代には約500年にわたってキプロスの首都として栄えた歴史をもつ。街中の遺跡のほとんどが世界遺産になっている、地中海に面した美しい街だ。2017年1月28日には「欧州文化首都」のオープニングセレモニーが開催された。

 キプロスの見どころの詳細は、別途特集記事として詳しくご紹介するので楽しみにしてほしい。今回は、先行して2017年欧州文化首都のパフォスのセレモニーとキプロスのハイライトをご紹介する。

日が落ちると、屋外の会場で歓迎の合唱が始まった。

 2017年、パフォスでは350を超えるアクティビティやイベントが開催される。それらは、ガストロノミー、映画、演劇、音楽、ダンス、写真、アニメ、建築など、多岐に亘っていて、ほとんどを無料で楽しむことができるのだ。6月末には日本の和太鼓の演奏も予定されている。イベントスケジュールなどの詳細は、「パフォス2017」のホームページで確認することができる。

「パフォス2017」のオープニングセレモニーで、パフォス市長のフェドナス・フェドノス氏(中央)に盾を渡すヨーロッパ委員会のクリストス・スティリアニーディス氏(右)と、パフォス2017委員会会長のクリストス・パツァリーデス氏(左)。

 1月28日夜、パフォス市庁舎前の市民広場で行われたセレモニーでは、ヨーロッパ委員会のクリストス・スティリアニーディス氏、パフォス市長のフェドナス・フェドノス氏、パフォス2017委員会会長のクリストス・パツァリーデス氏が挨拶をし、キプロス共和国のニコス・アナスタシアディス大統領からのメッセージが代読された。

ステージを縦横無尽に使ったパフォーマンスが繰り広げられた。

 続いてステージでは、ギリシャ神話に登場するキプロスの王ピグマリオンと、彼が彫刻した理想の女性ガラテアの物語が繰り広げられた。ダンスも交えたドラマが展開され、300人を超える子供たちがランタンを持って登場するなど、ドラマチックな演出に数千人の観客が魅了された。

プロのダンサーたちによる美しいダンス。
クライマックスでは旗を掲げたダンサーたちがステージに。

 そして、ジャズオーケストラの演奏と歌が始まる。オーケストラは、2017年のもうひとつの「欧州文化首都」であるデンマークのオーフスからの参加だ。コーラスには、ギリシャ系だけでなく、北部キプロスのトルコ系のシンガーたちも参加。そこには、パフォスが目標とする「文化で架け橋を造る」というビジョンが表れていた。

ジャズオーケストラはデンマークのオーフスから、合唱団はギリシャ系とトルコ系のミックスという、まさに「文化の架け橋」だ。
フィナーレではステージから炎があがり、紙吹雪が市民広場を包んだ。

 ほかにも、広場を囲む市庁舎やビザンティン博物館などの建物にはプロジェクションマッピングが映し出され、「欧州文化首都」のオープニングにふさわしい華やかな夜となった。

 次のページでは、キプロスがどんな国なのか、ハイライトをご紹介しよう。

2017.03.28(火)
文・撮影=たかせ藍沙