人懐こい猫と戯れ
古代へと思いを馳せる

美の女神アフロディテが海の泡から生まれたという海岸。そして、左側の岩に腰掛けたのだという。この海岸でハート型の石を見つけることができたら恋が叶うといわれているらしい。

 2016年にキプロスを訪れた観光客数は約319万人。そのうち日本人はわずか800人弱。つまり、日本人にほとんど会うことがない穴場ともいえる国だ。日本での知名度はまだまだでギリシャの島のひとつと誤解されてしまうこともあるが、キプロスは地中海東部に浮かぶ島国だ。

 四国の約半分ほどの大きさで、国土の約4割が森であり、美しいビーチもあり、夏にはダイビングなどのマリンスポーツを楽しむこともできる。マウンテンバイクで自然の中を走るのも楽しい。山にも海にも美しい自然が多く残されている国だ。

ビザンティン時代に砦として建てられ、13世紀に城として再建されたパフォス城。オスマントルコ時代には牢獄として使われていた。
パフォス城からはパフォスの港と街を一望することができる。

 ギリシャ・ローマ時代に500年にわたってキプロスの首都がパフォスにあったことは前述の通り。そんなパフォスはギリシャ神話の舞台としても知られていて、美の女神アフロディテが生まれた美しい海岸や、水浴びをした泉など、ロマンチックな見どころも多い。

パフォスのディオニソスの館にあるモザイクのひとつ。「ナルシシズム」の語源となったナルシスだ。
リマソルのクリオン遺跡にある古代劇場。ここは、今でもイベント等で使われることがある。

 世界遺産の遺跡もあちらこちらにあり、ギリシャ神話を題材にした見事なモザイクも数多く残されている。また、リマソルのクリオン遺跡内にあるローマ時代の劇場は今も使われているので古代と現在を同時に楽しむこともできるのだ。パフォスの文化イベントだけでなく、クリオン遺跡でのイベントも調べてから出かけたい。

キプロスでは猫をよく見かける。この猫はオモドス村のワイン瓶の蓋の上に座っていた。

 また、キプロスでは実に多くの猫に遭遇する。「猫の島」と呼ばれるほどだ。道端で住民からキャットフードをもらって食事している姿もよく見かける。猫好きにはもってこいの旅先でもあるのだ。

 その理由のひとつは紀元4世紀に遡る。ローマ時代に修道院を建立する際、蛇退治のために中東から沢山の猫を持ってきたというのだ。その時に建立された聖ニコラオス修道院は、今では「猫修道院」と呼ばれるくらい多くの猫が住み着いている。

レース作りの村として知られるレフカラ村では、裏路地散策が楽しい。
職人が減りつつあるという貴重なレース。あの、レオナルド・ダ・ヴィンチもレフカラ村に滞在したことがあるのだという。

 最後に「文化の架け橋」に深い意味がある理由を。1974年のキプロス紛争以来、トルコ系住民とギリシャ系住民の居住地域が島の南北に分けられていて、その境界線は「グリーンライン」と呼ばれている。以前は緊張感があったが、今ではパスポートを見せれば24時間往来が可能だ。

 「欧州文化首都」のオープニングセレモニーでギリシャ系とトルコ系の住民が一緒に合唱したことは、1970年代には考えられなかったこと。まさに2017年のパフォスは「文化の架け橋」となっているのだ。

 「欧州文化首都」をきっかけに、ぜひキプロスに旅して、様々な魅力を楽しんでほしい。

【取材協力】
カタール航空

http://www.qatarairways.com/jp

キプロス・インフォメーションサービス
http://www.cyprus-info.jp/

キプロス政府観光局
http://www.visitcyprus.com/

日本旅行業協会
https://www.jata-net.or.jp/

たかせ藍沙 (たかせ あいしゃ)
トラベル&スパジャーナリスト。渡航150回超・70カ国超、海外スパ取材250軒超、ダイビング歴800本超。日々楽しい旅の提案を発信中。著書は『美食と雑貨と美肌の王国 魅惑のモロッコ』(ダイヤモンド社)、薔薇でキレイになるためのMOOK『LOVE! ROSE』(宝島社)など。楽園写真家・三好和義氏と共著の『死ぬまでに絶対行きたい世界の楽園リゾート』(PHP研究所)は4刷、台湾・中国版出版! 第2弾『地球の奇跡、大自然の宝石に逢いに… 青の楽園へ』も中国版出版! 『ファーストクラスで世界一周(仮題)』2017年春刊行予定。
Twitter https://twitter.com/aisha_t
ブログ http://ameblo.jp/aisha
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トラベルライターの旅のデジカメ虫干しノート

大都会から秘境まで、世界中を旅してきた女性トラベルライターたちが、デジカメのメモリーの奥に眠らせたまま未公開だった小ネタをお蔵出し。地球は驚きと笑いに満ちている!

2017.03.28(火)
文・撮影=たかせ藍沙