2017年6月4日(日)、「北アルプス国際芸術祭~信濃大町 食とアートの廻廊~」が長野県大町市でスタートする。そこで5月半ば、作品の完成に向けて最後の仕上げにとりかかる作家たちを訪ねた。今回の芸術祭の見どころを、作家の声とともにお届けする。
◆仁科三湖エリア・木崎湖畔
YAMANBAガールズ「おこひるの記憶」
北アルプスの麓に位置する信濃大町の日常風景が、世界を舞台に活躍する作家たちの感性によってどのように切り取られるのか。作品を鑑賞する楽しみとともに、そこに暮らす人々が育んできた食文化を知ることができるのも、この芸術祭の醍醐味だ。
木崎湖畔にたたずむかつての旅館で、会期中の土・日・祝日(13:00~/繁忙期は11:30~/1,500円・要予約)に開催する「おこひるの記憶」。信濃大町の郷土料理を研究する有志の女衆が、この地の豊かな食を民話の語りとともに紹介してくれる。
煮物に使う大根は、冬に仕込まれた保存食「凍み大根」だ。皮をむいた大根を軒先に吊るしておくと、昼夜の寒暖差によって水分が飛び、長期保存が可能となる。大根の旨みがぎゅっと詰まっていて、本当においしい。
さらに食材や郷土料理、地元に伝わる昔話など、芸術祭のために結成された「YAMANBAガールズ」たちとの会話も弾む。
食事を終えたら、木崎湖畔の散策へ。湖畔にはいくつかの空き家があるが、たとえばこちらの空き家は、カナダ人のふたりの作家、ケイトリン・RC・ブラウンとウェイン・ギャレットによって、作品としてお披露目される予定だ。
2017.05.28(日)
文・撮影=CREA WEB編集室