美味しい機内食は胃袋のキャパを超える?

上空で開栓された高級シャンパンKRUG。冷えていてすこぶる美味しい! もちろん、1杯では終われない(笑)。

 リラックスウェアに着替えたら、さっそくKRUGをいただく。シャンパンの中でも特に高価な高級シャンパンのひとつ。それを離陸前に「キンキンに冷やしておいてくださいね」とお願いしておいたので、ベストな温度で。

 以前、楽しみにしていた高級シャンパンがぬるくてとても残念だったことがあったので、念を押しておいたのだ。冷えたシャンパンを片手にメニューに目を通すこのひとときの、なんて贅沢なこと。

洋食のコースの前に、蛤と海老叩き真丈と焼き松茸のお椀を。

 まず、キャビアは外せない。でも、その他をどうするか。うずらのフォアグラ詰めが美味しそうだったので、洋食メニューに決めた。でも、和食に、秋ならではの松茸のお吸い物が……。ということで、洋食メニューにお吸い物を足していただくことに。更に、うずらのほかに秋田牛フィレ肉のグリルも気になった。なぜなら、トリュフ入りのマッシュポテトが添えられていたから。

洋食のコースの前に白ワインをセレクト。ここで、昨年の連載を読んでくださった方にはお馴染み、恒例の(笑)ワイン全種類をテイスティングしてから、シャルドネを選んだ。

 迷ってしまったので、この際メインをふたついただくことに(笑)。これで前菜から、キャビア、フォアグラ、トリュフが揃った。こんなわがままを言えるのもファーストクラスならではだ。

白いテーブルクロスの上にディナーのセッティング、そして、キャビアと真鯛、ベビーイエローパプリカのマリネのコンポジション。キャビアはラトビア産のチョウザメだった。真鯛とともに一気に食べてしまったら、次のサラダのときにCAさんが「サラダに載せるのもお勧めです」と。「えっ、もう食べちゃいました~!」。ここで教訓、キャビアは少しずついただくべし。
こちらは、フォアグラを詰めたうずらのローストに芽キャベツのピューレ添え 秩父ワインのソースとともに。うずらのプリッとした身にナイフを入れると、中からフォアグラがでてくる!

 うずらを食べ終わったところで、CAさんが、「次のメインまで少し時間を空けますか?」という心遣いをくださった。先は長いので、少しワインを楽しんでからお肉をいただいた。約12時間半のフライトだからこそ、ゆっくり食事も楽しめるというもの。

左:メイン2皿目のお肉の前に、少し休憩しつつワインをテイスティング。シラーと迷ったものの、カベルネソーヴィニヨンを。
右:秋田牛フィレ肉のグリル 巨峰のコンポートにトリュフ入りのインカのめざめのマッシュとともに。秋田牛も美味しいのだけど、トリュフ入りのマッシュポテトが絶品だった!

 デザートの後は、カフェインフリーの飲み物がほしかった。すぐに眠れるように。ハーブティの項目に「ANAオリジナルブレンドmitoco」という記載があった。ローズ、ジャスミン、ペパーミントのブレンドだ。ローズ好きな私は迷わずこのハーブティをいただくことに。

 するとCAさんが、「このハーブティは、皇帝ナポレオンやダイアナ妃が好んで飲んでいたものをもとにブレンドしたものなんです」と教えてくださった。ジャスミンとミントの爽やかなお茶に、ほんのり甘いローズの香りが加わって、夜にぴったりのハーブティだった。

 夜食としては、比内地鶏の玉子丼や、ANAオリジナルカレー、舞茸うどん、一風堂 ラーメン空の上のトンコツ「そらとん」に、サラダやチーズ、煮物、秋刀魚塩焼き(!)などなど、魅力的なメニューはたくさんあったけれど、お腹がいっぱいになってしまったので、朝食を楽しみにしばし眠ることに。ロングフライトだからこそ、ファーストクラスだからこその夢の中へ……。

2016.11.16(水)
文・撮影=たかせ藍沙