裏の泥臭さを知るからこそ、表舞台に出るときには輝きたい

――スカウトされてから10年経ちますが、順調に主演作も増えてくるなかで、心境の変化みたいなものはありますか?

 スカウトされたときは、何も考えてなかったし、モテたいとか、周囲からワーキャー言われたいぐらいしかなかったんですよ(笑)。それで、ほぼ10年経ちますけど、この仕事を始めて見えたことはいろいろあります。

 たとえば、生きていくこともそうだし、この世界は一見華やかに見えても、裏では熱くて泥臭くやっている部分もたくさんあるし、それが分かったり、好きだったりするからこそ、表舞台に出るときには輝いてやっていこうと思う。だからこそ、どんどんいい作品にめぐりあって、いろんなものをもらって、自分を作っていきたいと思いますね。

――具体的に、俳優として憧れる方などはいらっしゃいますか?

 スゴい人……いっぱいいますよね。同世代だったら、山田孝之さんはスゴいですね。作品ごとに違うキャラクターになることができる。初めて『電車男』を見たときに、芝居ってスゴいんだな、と思わせてくれた人なんです。あとは、香川照之さんもスゴいですね。たまに役者仲間と熱くなって演技論みたいなものも話しますが、基本は下ネタばっかです(笑)。

――最後に、3月に解散されるココア男。についても一言お願いします。

 みんなといろんな話し合いをしまして、それぞれが次のステージに立つために、という結論でこうなったんです。いろんな意見はあると思いますけど、最後にアルバムを出すことで決着をつける感じです。ココア男。として活動してきたことで、歌を届ける気持ちの大切さに気付かせてもらったんで、できるかぎり歌は続けていきたいとは思います。

鎌苅健太 (かまかり・けんた)

1984年2月17日、大阪府生まれ。172cm・56kg。2005年、舞台「THE☆BUSAIKU」で俳優デビューし、同年上演されたミュージカル「テニスの王子様」で演じた宍戸亮役で人気を博す。06年放送のドラマ「プリンセス・プリンセスD」では初主演、07年ミュージカル「エア・ギア」では初座長を務める。11年には『アメイジング グレイス ~儚き男たちへの詩~』『シャッフル』のほか、主演映画『Miss Boys! 決戦は甲子園!?編』が公開された。

『犬の首輪とコロッケと』
大阪・生野区で、食卓にコロッケとキムチしか出さない在日韓国人の父(山口智充)のもとに生まれたセイキ(鎌苅健太)は、ケンカや窃盗に明け暮れ、少年院に入れられてしまう。その後、友人から紹介されたミチコ(ちすん)のため、マジメに生きることを決意した彼は、お笑い芸人の道に進む。しかし、そんなセイキに対し、ミチコはある秘密を隠していた……。
www.inukoro.jp

1月28日(土)より、シネマスクエアとうきゅうほか、全国順次ロードショー
 (C)2011『犬の首輪とコロッケと』製作委員会

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2012.01.06(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Toshiya Kondo