「CREA〈するめ基金〉 熊本」のご報告 村上春樹

阿蘇を訪れた村上春樹さん。(2015年CREA9月号より)

 全国のみなさん、お元気ですか?

 熊本にお住まいのみなさんはいかがお過ごしでしょう? その後まだ回復にはほど遠い生活を送っておられる方も多いのではないかと案じております。まだ余震がやまないようです。豪雨にもみまわれ、被害も出ているようで心を痛めております。いろいろと落ち着かないことでしょうし、疲れもじわじわと出てくる時期です。早く状況が一段落して、静かな生活を送れる日々が来ることを、心からお祈りいたしております。

 「するめ基金」に数多くのご支援をいただき、おかげさまで寄付総額は一千万円を突破しました。予想していた以上に寄付が集まったことを、関係者一同深く感謝しています。とはいえ、まだこれからもこの募金は続けていきたいと思っています。「するめ」という名前にふさわしく、じわじわとたゆまず活動を続けていくつもりです。よりいっそうのご理解ご協力を賜りたいと思います。

 募金について更に広く訴えられるように、このたび「週刊文春(いわゆるセンテンス・スプリング)メールマガジン」で、この基金の緊急告知をしました。というわけで、「するめ基金」はこれからもまだまだ広く、しつこく続いていきます。

 さて、集まったお金の使いみちについてですが、みなさんからのアイデアや希望も数多く寄せられています。いろんな可能性を慎重に検討して、「するめ基金」らしい実のある使途を考えたいと思っています。詳細については、決定し次第きちんとお知らせします。せっかく寄せられた貴重なお金なので、よくわからないところに丸投げするというようなことだけは避けたいと考えています。

 僕(村上)個人としても基金とは並行して、近いうちに何か熊本のみなさんのために、形のあることができればと考えています。もちろんしがない作家に過ぎませんので、大したことはできませんが、たとえささやかなことでもいいから、お役に立てればと考えています。

全国からやって来たボランティアスタッフを激励するくまモン。

CREA編集部より

 CREA編集部では、熊本県を震源とする「平成28年(2016年)熊本地震」におきまして、被災地のみなさまの支援を目的とした「CREA〈するめ基金〉熊本」を立ち上げました。

 被災地のみなさまには、あらためてお見舞い申し上げます。

 開始以来、たくさんの方からご寄附をいただいております。基金の趣旨にご賛同いただいた方々に厚く御礼申し上げます。

 支援金の使い方や支援先についても募集をした結果、皆さまからたくさんのご意見をいただいております。いだいいた案については、村上春樹さんと相談しながら検討していきたい所存です。改めてご報告させていただければと思います。

 これからもこの活動は続けていきます。引き続き、多くの方にご協力いただければ幸いに存じます。

2016年6月21日 CREA編集部

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※引き続き、募金は継続しております。