高山植物を上手に撮影するコツ その1
「マクロレンズに挑戦して未知の世界へ」

ウェスタン・アネモネの穂。雪解けとともに姿を現し、初夏を告げる。

 ハイキングに行く時は何かと物入りで、雨具、水、食料、地図など荷物が重くなる。そこでフットワークを良くするための賢いレンズ選びをして欲しい。

 まず植物を撮るなら断然マクロレンズ! マクロレンズとは、被写体にグッと近づいて撮れるレンズである。そして、マクロレンズを使うと、知らなかったミクロの世界を垣間見ることができる(コンパクトカメラなら、マクロ撮影に切り替えるボタンにはチューリップのマークが描かれているはず)。

 例えば、花びらの形、葉脈のライン、雄しべや雌しべの成り立ちなど、普段目にすることがないものに出会えるのだ。グッと近寄って大胆に構図を切り取ろう。

左:マウンテン・アーニカ。
中央:シトカ・バレリアン。
右:モンキー・フラワー。
スプレッディング・フロックス。芝桜と同じハナシノブ科で白色やピンク色もある。

 ここで1つ、注意すべき相手がいる。それは蜂。私はフィンランドの森で花をマクロ撮影している時に、頬を刺された経験がある。その時は、すぐアンモニア消毒をしなければならず、泣く泣く森歩きを諦め小屋に戻った。蜂という先客がいる場合があるので花の中をよく見て近づこう。

左:花畑を歩く夢のようなハイキングコース。
右:運が良いとマーモットにも出会える。岩と同じ色で探しにくいので目を凝らしながら歩いてね。

2016.04.25(月)
文・撮影=山口規子