高山植物を上手に撮影するコツ その3
「カメラを身体から離すことも大事!」

氷河は自然が作り出す彫刻だとしみじみ思う。

 花を撮ったり風景を撮ったりすると、レンズ交換やらカメラの設定など何かと忙しい。そんな中で一番大事なものは、ゆったりした行程スケジュールと東西南北の方位である。

 まず、行程スケジュールは、写真を撮らずに歩く通常のハイキング時間の1.5倍から2倍ぐらいかかると見ておいた方がよい。そして、複数の選択肢が設けられているハイキングルートなら、東西南北の方角を調べ、日の当たる方向や時間を考え、右ルートでいくか左ルートでいくかなどを決めよう。

尖った山はブラック・タスクと呼ばれる山。高そうに見えて実は2319メートル。意外に低い!

 そして時々、カメラを置き、新鮮な空気を吸って肺の中を掃除したり、目を閉じて心の中を掃除したりすることもお忘れなく~。

 以上。次回は何のコツをお教えしようかと検討中。旅先の写真撮影でこんな時どうしたらいいの? など、取り上げてほしいテーマがあれば、CREA WEBの「掲載記事へのご意見・ご感想」フォームからご意見をお寄せください。

山口規子(やまぐち のりこ)
栃木県生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業後、文藝春秋写真部を経て独立。現在は女性ファッション誌や旅行誌を中心に活躍中。透明感のある独特な画面構成に定評がある。『イスタンブールの男』で第2回東京国際写真ビエンナーレ入選、『路上の芸人たち』で第16回日本雑誌写真記者会賞受賞。著書にひとつのホテルが出来上がるまでを記録したドキュメンタリー『メイキング・オブ・ザ・ペニンシュラ東京』(文藝春秋)、『奇跡のリゾート 星のや 竹富島』(河出書房新社)や東京お台場に等身大ガンダムが出来上がるまでを撮影した『Real-G 1/1scale GUNDAM Photographs』(集英社)などがある。また『ハワイアン・レイメイキング しあわせの花飾り』『家庭で作るサルデーニャ料理』『他郷阿部家の暮らしとレシピ』など料理や暮らしに関する撮影書籍は多数。旅好き。猫好き。チョコレート好き。公益社団法人日本写真家協会会員。

Column

山口規子のMy Favorite Place 旅写真の楽しみ方

山口規子さんは、世界中を旅しながら、ジャンルを横断した素敵な写真を撮り続けるフォトグラファー。風景、人物、料理……、地球上のさまざまな場所でこれまで撮影してきた作品をサンプルとして使いながら、CREA WEB読者に旅写真のノウハウを分かりやすくお伝えします!

2016.04.25(月)
文・撮影=山口規子