クジラを上手に撮影するコツ その2
「船酔い対策を万全にすれば構図も決まる」

おなか出し。(400ミリレンズ/F14/1/800秒/ISO800)

 沖縄のホエールウォッチングは船で行く。私が利用したツアーは那覇市内の泊港から30~40分ほどでクジラがいるポイントに到着(クジラは毎日移動しているのでその日によってポイントは異なる)。

 そこに着くまでに船酔いする人は写真どころでないだろう。酔い止めの薬や酔い止めリストバンド、酔い止めパッチという体に貼るシールなどを用意していこう。

潮吹き穴。(100ミリレンズ/F16/1/500秒/ISO800)

 幸い、私は船酔いする体質ではないのだが、私が考えた対策は以下の3つ。

(1) 船に乗る前に何か食べておくこと
こうすることで、胃を重たくして揺れにくくする。

(2) 体を緊張させず自らを波に任せるよう、心も身体も柔らかくしておくこと
硬直すればするほど波の揺れを吸収しやすくなってしまう。

(3) 写真に集中し、ファインダーから目を離さないこと
ファインダーから目を離して液晶画面で写真をチェックしようものなら、下を向くことになるのでますます酔いやすい状況となる。そんなこといってもねえ。と反対意見を抱いた人も、ぜひ試してほしい。

寝返りの瞬間。(400ミリレンズ/F14/1/800秒/ISO800)

 次に構図である。

 船酔いしないようにファインダーを見続けるということは、つまり、ファインダーの四角い窓(構図)を見続けるということになる。

 ここでは、自分の目の視野と同じくらいの焦点距離、35~50ミリ程度に合わせてクジラを探すとよいだろう。そしてクジラが出たらすぐズームを動かして、できるだけ大きく撮ろう。

 最初はクジラを真ん中に日の丸構図でタイミングを合わせ、とにかくクジラを画角に入れる練習を! 次に、海面の水平を気にしながら撮る練習。最後に慣れて来たらシャッターを半押ししてフォーカスロック、クジラの位置を右や左にもってくる構図にも挑戦してみてほしい。

他のツアーの船を入れ込んでクジラの大きさと比較するのも面白い。
遠景に島を入れるとそのときの状況がよくわかり、格好の記録写真になる。

2016.03.27(日)
文・撮影=山口規子