【WOMAN】
隠してきた本音が花開く

 シングル同士、ママ友など、人は似たような境遇にいる方が、生活サイクル上、つるみやすい。それだけに、抱えているものの違う女たちが一つ屋根の下で同居する設定は、「“隣の芝生は青い”は本当か」を考えさせる上で絶妙。

 隣の芝生がまぶしく思えても、やっぱり自らが選んだ道。加南や悠里は、互いの大変さをねぎらいながら同時に選択してきた自分の過去を肯定する。〈ホントは どんな道にだって 楽しさや美しさが あることを 知ってるのに〉と。そんな心持ちゆえに自然と湧いてくる、〈案外 溝なんて あるようで なかったり〉という軽やかな関係の捉え方が爽快だ。

 これほど達観できている彼女たちなのに、男に求められなければ満たされないという呪縛からは抜け出せていない。受け身でしか高まらない性欲。圏外と見做される年齢になってしまうことへの恐れ。タイトルにある〈地獄〉の本当の意味が、これから明かされるのかと思うとゾクゾク。

『地獄のガールフレンド』(既刊1巻) 鳥飼茜

結婚生活に疲れシングルマザーになったイラストレーターの加南(31)、セカンドバージン歴の長いOL・悠里(28)、ゆるふわモテ女のアパレルデザイナー・奈央(36)。境遇の違う三人が始めたシェアハウスは、本音を打ち明け合いながら好スタートを切ったように見えたが……。
祥伝社 680円
» この書籍を購入する(Amazonへリンク)

Column

男と女のマンガ道

男と女の間には、深くて暗い川のごとき断絶が横たわる。その距離を埋めるための最高のツールが、実はマンガ。話題のマンガを読んで、互いを理解しよう!

2015.10.06(火)
文=三浦天紗子

CREA 2015年10月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

きれいになる週末

CREA 2015年10月号

秋だからはじめる
きれいになる週末

定価780円