シャトーと同じ値段でワインが入手できる穴場

シャトー巡りの合間にのぞきたい施設、プラネット・ボルドー。パネルなどに日本語の表記はないが、写真や映像で、ボルドーワインについて目でわかる。ワインのショッピングも可能。

 最終回の今回は、シャトー巡りの合間に立ち寄ると面白い施設を一つご紹介します。アントル ドゥ メールの北にある、プラネット・ボルドーです。

プラネット・ボルドーでは、香りの勉強もできる。ワインを表現するのに使われる香りがいくつも試せる。サンプルの香りを試し、何の香りか当ててみるのが楽しい。

 そもそも1979年に「AOCボルドー/ボルドー シュペリュール」(ボルドー全域という広範囲にわたる原産地のワイン)の組合が、組合員のワインの試飲のために作った施設ですが、現在は博物館的な役割も。一般客が訪れて、ワインの醸造方法などをパネルや映像で見ることができます。

それほど賑わっている施設ではないが、たくさんのワインが買えるところが魅力。コンクール受賞ワインもわかりやすく並ぶ。
ボルドー市内の光景と言えばトラム。このところは新市長の呼びかけで企業誘致が増えつつあり、少しずつ人が増えている実感があると、ボルドー在住の人が話していた。

 でも、ここの一番の魅力は、「AOCボルドー/ボルドー シュペリュール」のワインが約1000種類も販売されていること。ここに来れば、訪れることのできなかったシャトーのものや、コンクール受賞のワインなども、シャトーで売られているのと同じ価格で買うことができます。5ユーロの入場料には、3種類のワインのテイスティング付き。たまたま訪れた時は、テイスティングスペースに高校生の団体がいて、葡萄ジュースの試飲をしていました(笑)。

 実は、2年後には本格的なワインミュージアムがボルドー市内にできる予定で、現在建設が進んでいます。予定地は、アントル ドゥ メールの北側から、ガロンヌ河を渡ってすぐのところ。

中心部にあるグランドシアター。向かい側にはボルドーグランドホテルがある。

 トラムが走る中心部を散歩してみると、ワンブロックにひとつ、ワインバーやワインショップがあるような印象を受けます。パティスリーやブーランジュリーよりワインの看板が目立つのはさすがワインの街。パリ・オペラ座のモデルとなった大劇場、グランドシアターは観光の名所。有名デパートのギャラリーラファイエットもあり、ショッピングも楽しめます。

ワインショップやワインバーがいたるところに。観光客はもちろん、地元の人も訪れるそう。

Planète Bordeaux (プラネット・ボルドー)
所在地 Rte Nationale 89, 1 route Pasquina 33750 Beychac et Caillau
電話番号 +33-5-57-97-19-38
URL http://www.planete-bordeaux.fr/

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2014.10.04(土)
文・撮影=浅妻千映子