推薦人:吉田孝次郎さん(無名舎)
「湯葉弥」の干ゆば

「干ゆば」を詰め合わせたセットは多種揃います。写真は、切小巻ゆば、大原木ゆば、巻ゆば小、結びゆば、小巻ゆば、きざみゆば、こでまり、湯葉のふりかけ2種が揃う「京ゆば詰合せ」4,500円(税抜価格)/湯葉弥

 吉田孝次郎さんが主宰されている「無名舎」は、鉾町のど真ん中、新町通沿いにあり、平成18年に景観重要建造物に指定され、さらに平成26年には国指定有形登録文化財となった名建築で、吉田さんのご自宅でもあります。ここはもともと吉田さんのお父様の代まで、白生地問屋でした。ご自身は美術研究のため武蔵野美術大学で助手をされていましたが、37歳の時お父様が亡くなられ帰郷。その後、京都の生活文化発信地として無名舎を立ち上げられたのです。NPO法人「美しい京都」の理事長もされています。

「無名舎」の吉田孝次郎さん。祇園祭山鉾連合会理事長もされています。湯葉弥の干しゆばの他には、「ちんぎれや」のガマグチ、七味家本舗の七味などもお好みだとか。(「無名舎」所在地:京都市中京区新町通六角下る六角町363、電話番号 075-221-1317)

 吉田さんといえば、まず初めに出てくるのが祇園祭。祇園祭の研究や山鉾の染織美術の研究をしておられ、20年前に山鉾連合会の理事に、平成22年9月には理事長に就任されました。そして今年の祇園祭で、49年ぶりに念願であった本来の姿「17日山鉾巡行の前祭、24日山鉾巡行の後祭」を復活されました。

 ご推薦のお土産は、「湯葉弥」の干ゆばです。湯葉は、加熱した豆乳に張った膜を竹串等で引き上げたものですが、1200年前に最澄が中国から比叡山延暦寺に持ち帰ったのが初めといわれ、精進料理に必ず使われます。1200年の間に、製法、形、用途等、高度な進化を遂げてきた、京都ならではの食材と言えます。

 吉田さんのお祖母様のご実家が湯葉製造をされていて、子供のころから様々な湯葉を食べさせられたという経験から、「湯葉弥の湯葉が美味しい」とおっしゃいます。乾燥しているほうが日持ちがし、様々な料理に使用できる、といった利点があります。高級・高尚なお土産として、この味を知っている人に持って行くそうです。大丸と伊勢丹(どちらも京都の店舗のみ)で購入できますが、本店に行くと全種類から選べます。

湯葉弥
所在地 京都市下京区中堂寺庄ノ内町54-6
電話番号 075-314-5788
フリーダイヤル 0120-806-280
FAX 075-314-5386
URL http://www.yubaya.co.jp/

小林禎弘
フォトグラファー。京都市生まれの京都市育ち。同志社大学を卒業後3年間の公務員を経て撮影の世界へ。雑誌、書籍、広告を舞台として、京都を中心に西日本を幅広くカバー。「撮影歴30年ですが、それくらいでは京都の事はまだまだわかりまへん」。

2014.08.30(土)
文・撮影=小林禎弘